腰痛時のバックスクワットの代替え法

 

 

序文

腰痛からの回復して筋トレする場合、一般的な指導として痛みが無くなってから再開しましょうというのが大半です。しかし、実際は慢性腰痛、例えば「バーベルスクワットで腰痛を起こした時の筋肉以外の原因と対応。」の記事の中でも述べたように、「終板変性による腰痛」など回復するまでに長期間を費やす腰痛があるのも現実です。

そこで「痛みが無くなってからウェイトやりましょう」を忠実に守っていたら、いつまで経ってもウェイト再開できなくなる可能性があります。また、例え再開できたとしても、かなり筋力が衰えた状態から再開することになり、元に戻すまでにかなりの労力を費やすことになります。

そこで、今までの腰痛からバックスクワット復帰までの道筋として掲載した記事の続きとして「腰痛が慢性化しているが、そろそろ自重トレーニングから前進して、負荷を少し掛けていきたい」といううケースを想定して、バックスクワットで鍛える筋肉の代替のトレーニング法を考えていきたいと思います。

 

今回想定している腰痛

腰を反らすと痛い、捻じると痛い、など色々あると思いますが、一般的に腰痛というと上の写真のようなポーズを思い浮かべます。腰を反らす・もしくは真っ直ぐ立てると痛いので前かがみになり、腰にかかる負荷を逃そうとする姿勢です。実はこれが一番世の中で見かける腰痛です。つまり腰を反らす、腰を伸ばす動きが痛いというのが多いのです。今回はこの腰を反らすと痛いとうケースにフォーカスしてお話を進めていきます。

ただこの様な腰痛でも、腰を曲げれば痛みもなく全然平気という訳ではなく、痛いの我慢してずっと反らした姿勢をキープしていると直に慣れてきます。その姿勢から今度は前に曲げようとすると動き始めの瞬間に激痛を感じることがほとんどです。つまり、動き始めが一番痛く、それが特に腰を反らす方向の動作が痛みが出やすく、持続時間も長いという特徴がある腰痛です。

 

腰痛時の下肢強化の注意点

スクワットで腰が痛くなる要因は、上半身からの圧力が腰にかかるためです。

バックスクワットの場合、肩の後ろにバーベルを担ぎます。フロントスクワットの場合、肩の前にバーベルを保持します。この重みが背骨を通して上から圧迫力として伝わります。さらにバランス保持のため背筋を働かすので、背中が反り気味になります。

また、ジェファーソンスクワットやバーベル・ハックスクワットのように、ウェイトを上に担がず下に垂らしたとしても、腕を介して腰に負担はかかります。

そこで腰に負担を掛けないようにするには、上半身に負担がかからない運動を選択することになります。自重トレーニングがメインになりますが、種目を選べばウェイトによる負荷をかけても大丈夫な場合もありますので、あまり杓子定規にならず自分で考えながらアレンジしましょう。

大事なのは、どの種目を行うにしても腰の痛みがない範囲で行い、痛みが出る場合はやり方が悪くないか、負荷がオーバーしていないか、動かす範囲を減らしてみてはどうか、などを考慮してみましょう。

腰を反らして痛い人が、基本的なホームはコレだと言われているからと、無理して腰を伸ばしてトレーニングしていたら痛みが悪化し、回復期間が長引くということが往々にしてあります。腰痛が色々な原因があり、人それぞれなのです。痛みを我慢してトレーニングしていたらその内治ったという人もいますが、逆に長引かせる結果になる人もいます。

痛みが出ない姿勢があるなら、まずはその姿勢からトレーニングを始め、痛みが減ってきたらそれに伴い徐々に理想的なホームに近づけていけばいいのです。

あくまでリハビリであり、強化段階に移行するまでの「つなぎ」として行っているトレーニングだという認識を忘れずに、無理な負荷をかけない、無理に大きく動かそうとしない、無理な回数を行おうとしない、ということを常に心がけてください。

 

 

レッグプレス

スクワットの代替運動で真っ先に思いつくのがこの運動だと思います。座って行えるので、上半身で負荷を支える必要がありません。特に腰を反らす運動で痛みを感じる人は、座ると腰が丸まりやすくなるので特に楽に感じることでしょう。

難点は自宅で出来ないことです。一般的にはレッグプレス・マシーンを購入している家庭はかなり少ないと思われます。代替案としては、ホームジム用のスミスマシーンがある場合は、バーの下に仰向けで寝っ転がって足でバーを押す、というのがあります。最近ではレッグプレスをすることを想定して、フットプレートをオプションで付けているスミスマシーンも販売されています。

ただ、スミスマシーンでレッグプレスを行う場合、膝の胸への引付を深くしようとすると、下部腰部が屈曲し過ぎになり逆に痛めることがありますので、そこは注意です。

 

ブルガリアン・スクワット

別名をリアフット・エレベーティッド・スクワット(後ろ足を挙上したスクワット)といいます。スクワットの状態で、片足を後ろの台の上に置くことで、前足にかかる負荷を強めます。腰は中間位であり、痛みがない姿勢で行ってください。腰を伸ばして痛いのあれば、上体をやや前かがみにし、腰を丸めるのが痛いのであれば、胸を張り腰を伸ばして行ってください。

基本的には、前足はスクワットの動作と同じような軌道を描くと、殿筋によく効きます。後ろ足に荷重が乗りすぎると後ろ足の太もも前面が疲労してきます。

 

シングルレッグ・ルーマニアンデッドリフト

ファンクショナル・トレーニングの1種と見なされているトレーニングです。片脚で立つので不安定になり、体幹や股関節周囲の固定筋に強く負荷がかかります。

ルーマニアン・デッドリフトは通常のデッドリフトより股関節・膝関節の曲げ角度を抑えたデッドリフトで、殿筋や太ももの裏に効き目があります。その片脚バージョンです。ゆっくり行うことが肝です。

 

ベルトスクワット

ウェイトを掛けたスクワットは上半身を介することで腰に負担がかかります。そこで骨盤にウェイトをつければ腰に負担がかからないであろうという理由で採用されるのがベルトスクワットです。

日本ではあまり実践している人がいませんが、海外ではポピュラーなのか、動画が多くyoutubeにあがっています。

ベルトスクワットには方法がいくつかありますが、簡単に言うとベルトにウェイトをぶら下げてスクワットを行います。

腰に負担をかけずにバーベルスクワットに近い感覚でトレーニングできますが、フリーウェイとで行うとバランス取りが難しいのと、色々とセットアップが面倒くさいというのが難点です。海外ではベルトスクワット用のマシーンがあり、セットアップの面倒なことがなく、ストッパーがあるので安全にトレーニングできるよう作られています。しかし、日本では一般的なジムではほとんど見ることはありません。

下にいくつか参考資料の動画を貼っておきますので、ご興味のある方はご覧ください。

マシーンで行う場合

 

ボックス上で行うもの

ウェイトをディッピングベルトでぶら下げます。ウェイト・プレートを直に括り付けたり、ローディングピンを使用したり、ケトルベルを用いたりします。ウェイトの可動範囲を稼ぐために足場を高くする必要があります。

 

ランドマインを使用したもの

ファンクショナル・トレーニングで用いられるランドマインとシャフトを使うことで不安定性が減ります。

 

ベルトスクワットに関しては、需要があれば単独で記事を作ろうと思いますので、ご興味あればメール下さい(ブログはいたずら防止のためコメント欄は閉じています)。

 

まとめ

今回は、腰痛からの復帰で、徐々に負荷をかけた筋トレに移行するための種目の下肢バージョンの紹介でした。

では、この辺で。

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