妊娠時に対するカイロプラクティックの紹介を述べています。概要としては次の通りです。
①妊娠時のカイロプラクティックを行うための意義を解説するための土台となる生理学的な基礎知識を説明しています。
②妊娠時によく訴えられるマイナートラブルや危険信号、ハイリスクな事例を説明しています。
③カイロプラクティック的に骨盤帯にフォーカスした事柄を説明しています。

こちらに妊婦整体での概要と注意事項を載せています。まずそちらを先にご覧ください。

>>>産前(妊婦)の骨盤・骨格矯正/逆子矯正について

 

大和市のダフィーカイロプラクティック南林間整体院における妊婦矯正イメージ

目次

正常妊娠の生理学

発生学的に胎児の主要な各器官は受精後4~8週(妊娠5~9週)に形成されます。そのため、器官の形成を阻害する要素の影響を最も受けやすい時期です。受精卵は着床後、4週までは絨毛膜からの血管で母親からの血液の栄養分を摂取します。妊娠4ヶ月末くらいに胎盤が完成し、それを通して血液の循環を行います。胎児自体の心臓は妊娠4週くらいから動き始めると言われています。

お母さんの体の外見上は、皮膚に褐色の色素沈着がしやすくなりますが、分娩後しだいに消えていきます。胸も乳腺組織が増殖・肥大し、脂肪組織も増加するので張り感を覚えてきます。

急速にお腹が大きくなる為、皮下組織が引き伸ばされ、縞状の妊娠線が出てきます。胸、太もも内側、お尻にもできます。また、腹直筋が左右に引き伸ばされ、中央から引き離されます。これを腹直筋離開とよび、大なり小なり起こりますが、ひどい場合は産後、腹部突出が治らなくなることもあり手術を要します。

妊娠末期に10~12kgが平均的に体重が増えます。20kgを超えると要注意です。体重増加と妊娠高血圧症(妊娠中毒症)や妊娠糖尿病との関連も議論の分かれるところで、今のところなんとも言えません。ただ、急速にお腹が大きくなると、妊娠線はできやすくなり、産後も消えないので、体重増加も徐々に行われるのがベストです。

理想は7~12kgの増加がよいといわれています。分娩に伴って、赤ちゃんの重さと羊水や胎盤、子宮の内容物などが出ますので、5㎏くらいは産後すぐ減ります。

不妊症の解説ページでも述べていますが、妊娠中は交感神経が興奮しているのと同じ状態になっています。それは、母体のみならず赤ちゃんにも栄養を送らないといけないため、基礎代謝が上昇し、酸素消費量、水分・糖・脂質・蛋白などが増加します。血液循環量も増加し、心臓の活動が増します。そのため緊張状態を強いられているとも言えます。

また、急激な体格の変化や重心バランスの変化、体重の変化で筋骨格系にも負担がかかりやすいので、疲れ・痛み・コリ・張りが出やすくなります。

 

 

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妊娠中のマイナー・トラブル

 

つわり

妊娠5週ころから出始め、妊娠16週くらいまで続く吐き気や食欲不振などの症状です。妊婦さんの50~80%にみられるといわれています。原因はよく分かっていませんが、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)やチロシン、女性ホルモンの変化のためといわれています。

世界的免疫学者の安保徹先生によると、免疫機能が関わっているのでないかと考えられています。精子という自己遺伝子と違う遺伝子が体内に入ってきたことにより、免疫系が上手く適応していない期間ではないかというのです。ひどくなると、流産させて外へ排出しようとします。

 

足のむくみ・つり

子宮が大きくなるにつれて、腹部の動脈・静脈が圧迫するため、足への血行が悪くなり、血がうっ血し、むくんだり攣ったりしやすくなります。同じ理由で、肛門付近の血行も悪くなり、うっ血し、痔になりやすくなります。

【1474】全身の動脈人体図(c)フリーメディカルイラスト図鑑

 

腰痛

一般的には、お腹が大きくなってきたせいで、重心バランスが変わったため腰部に負担がかかり発症すると考えられています。その人のバランスの取り方で背中側が痛くなることもあります。お腹は子宮が大きくなるにつれ、引き伸ばされるので力を発揮しずらくなり、余計に腰部の筋に負担がかかります。

また、経産婦さんでは、前回の出産の時に仙腸関節などが緩めになっていたのが、今回の出産に当たり、さらに緩みやすくなり、仙腸関節が不安定になってきている場合もあります。

 

坐骨神経痛

坐骨神経は、お尻の筋肉を収縮させた時に現れるくぼみの部分辺りから出てきて、太ももの裏を通って足の裏にまで繋がっている神経です。この神経が圧迫されて痛みや痺れが出るのが坐骨神経痛です。

妊娠時における坐骨神経痛の原因は2つ考えられます。一つは子宮が大きくなり、骨盤内で神経に圧迫力がかかる事によるため。もう一つは、股関節を支えている梨状筋という筋肉が仙骨から出ていて、ちょうど坐骨神経の上に乗っかっている状態なので、この筋による圧迫が原因になっているためです。

 

妊娠中のビック・トラブル

流産

赤ちゃんが外で生きられない状態の時期に妊娠が途切れた状態を流産と呼びます。妊娠22週未満に起こる事を流産とよび、22週~37週未満の分娩を早産とよびます。自然流産の頻度は全体の10%程度で、8割は12週以内で起こるとされています。一番多いのは7~9週目です。

基本的には、流産する場合はもともと受精卵に生き残る力がなく、染色体に異常があった場合が多いと考えられています。流産の胎児の2/3に染色体異常が見つかっています。

しかし、妊娠4ヶ月未満の時期は胎盤が不安定なため、それが原因で流産してしまう可能性もあります。気を付けなければいけないのは、喘息持ちの方が、この胎盤が不安定な時期に発作がひどくなったりすると、腹圧が高まり子宮を刺激し、流産に移行してしまうという事があります。

 

切迫流産

流産が起こりそうな状態だが、まど持ちこたえている状態です。子宮からの不正出血が少量見られます。しかし、子宮頚管はまだ開いておらず、そこから流産に発展する場合と、大丈夫な場合があります。軽い腹痛や腰痛があります。

 

進行流産

子宮頚管が開いてきて、胎盤がはがれかかっています。出血や下腹部痛が強く出ています。残念ですが、完全流産(子宮内容物が完全に出てしまう)か不完全流産(子宮内容物が完全に出きらない)に進行します。

子宮からの異常出血は、流産の可能性に結びつきやすく、約半数は流産になっていると統計があります。出血を見たらすぐに産科を受診しましょう。

12週までの早期の流産自体は,もともとの胎児の染色体異常が原因がほとんどなので、防ぐ事は難しいです。12週から21週にかけては後期流産と言い、子宮頚管が閉めれない無力症や子宮や胎盤異常が原因のことがありますので、妊娠前に対処しておく事が肝要です。

 

早産

妊娠22週以降から37週までに胎児が生まれそうになるのが早産です。全分娩の5~10%で起こります。妊娠37週以降は正産期で、赤ちゃんは生まれても問題ありません。絨毛膜羊膜炎が早産原因で最も多いと考えられています。子宮頚管が短いと早産のリスクが高くなります。

 

絨毛膜羊膜炎

これは、大腸菌やブドウ球菌などの一般的に体にいる菌が、膣内から感染して羊膜などが炎症を起こす病気です。炎症によるプロスタグランジンの濃度が上がり、子宮が収縮を起こしてしまいます。治療は、抗生物質や子宮収縮抑制剤などを投与します。

 

切迫早産

早産になりやすい状態のことです。規則的な子宮の収縮が起こり、頚管熟化(頚管が柔らかくなり、開いてくる)してきます。子宮頚管の長さもポイントになり、子宮頸管長が妊娠32週未満で35~40mm、36週で30mm前後が正常と言われています。妊娠24週未満で子宮頚管長が30mmを切ると要注意といわれ、25mm以下では、早産リスクがかなり高くなるといわれています。

 

 

ハイリスク妊娠

異常妊娠・異常分娩として様々な症例がありますが、それらは早産・流産・不正出血につながりやすいので、当院では施術を控えさせていただいております。全部はとても書き出せないので、代表的なものを一部分だけ記しておきます。

 

前置胎盤

胎盤が子宮口の一部もしくは全体を覆うようにできてしまったもの。分娩数全体の0.5%に起こると言われ、多産婦に発生しやすいようです。多量出血を起こしやすく、早期帝王切開や、子宮摘出に繋がりやすいので注意が必要です。

 

妊娠高血圧症

妊娠20週以降に高血圧が見られるもので、妊娠32週未満に発生する早発型と、妊娠32週以降に発生する遅発型に分類されます。特に早発型は胎児の発育不全や胎盤形成不全を起こしやすく、死産や未熟児になりやすいので注意が必要です。いずれにしろ血圧のコントロールが必要になり、食事療法や薬物療法を行います。全妊婦中の3~4%に起こると言われています。

 

妊娠糖尿病

高血糖のため、胎児や羊水が影響を受け、早産や難産につながりやすくなります。また、胎児の発育不良にもなります。

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出展;写真AC

 

 

 

分娩時の骨盤

正常に分娩を果たすためには
①産道が通りやすくなっている事
②陣痛と腹圧がしっかり、正常に機能する事
③胎児が産道を通る際、変形や向きを変え通りやすくなる事
の三要素が大事です。

ここでは、産道を形作る骨盤に着目して解説したいと思います。

 

産道の形

分娩時の骨盤の入り口は、恥骨結合上縁から、腰椎と仙骨でできる角(岬角という)を結んだ線を含む水平面になります。出口は尾骨先端と坐骨と恥骨下縁で結ばれたところです。分娩時、尾骨は後方へ約2cm動きます。

産科学的には、骨盤の異常形は⑤つに分類されています。

 

①扁平型

骨盤入り口部が横長になっていて、前後径が逆に短くなっています。そのため赤ちゃんの頭部進入がしずらく、また回旋も行いずらくなります。日本人女性では4~14%の割合でいます。

 

②男性型

骨盤入り口部の大きさは正常で、出口部が狭くなっているため、分娩しずらい傾向にあります。日本人女性の1~7%に存在します。

 

③類人猿型

骨盤入り口の前後径が長く、逆に横径が短くなり、骨盤が縦長のような形状。日本人女性の5~25%に存在します。

 

④狭骨盤

正常骨盤に比べ、各サイズが短く、妊娠・分娩の経過を著しく障害されます。分娩は、帝王切開による事が多くなります。お母さんの病気による発育不全が原因になります。

 

⑤広骨盤

正常骨盤より各サイズが長く、骨盤腔も広いので、産道の抵抗が少なく、急速分娩(墜落産)を起こしやすくなります。

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産道や分娩に関するその他の事

分娩時は子宮体の筋肉が収縮して赤ちゃんを送り出します。子宮頚管や子宮下部は逆に収縮せず、伸びて通過管になります。骨盤の底は、筋肉や結合組織で3層構造になっています。一番内側を骨盤隔膜といい肛門挙筋や坐骨尾骨筋などの筋肉の層です。次に外側にあるのが尿生殖隔膜という結合組織でできていて、一番の外側にあるのが閉鎖筋層と呼ばれる体表の筋肉群です。

赤ちゃんの頭蓋骨はいくつのパートに分かれていて、連結部分が柔らかいので動いて変形することができます。したがって、産道を通過するとき、骨同士が重なりあって変形し(骨重積という)、通りやすくなります。

分娩時は、頭から出るのが正常で、逆子(骨盤位)では、分娩を難しくするか不可能にすることがあり、帝王切開が適応になります。初産婦さんでは、分娩3~4週くらい前に赤ちゃんが下向きに頭が骨盤入り口に固定する場合が多く、経産婦さんでは分娩開始間近に下方固定されやすいそうです。

 

分娩の経過

詳しい内容は出産関係の書籍などに記載されているので、ここでは分娩時の胎児の動きと、骨盤の形状との関連にフォーカスしてお伝えしようと思います。

 

第一回旋

分娩初期に骨盤入り口に押し下がるにつれ、胎児の後頭部が進行方向に向くよう押し付けられ、あごが胸につくように首が強く屈曲します。これを第一回旋といいます。このときの赤ちゃんは母親に対し股関節の方を向いている横向きです。この時、赤ちゃんが母親の側方を向いてくれてないと、骨盤入り口の前後径より、頭部の前後径の方が長いので突っかかって先に進めなくなります(高在縦定位)。扁平型骨盤が原因になる事があります。

 

第二回旋

次に骨盤出口に向かうにつれ、赤ちゃんの正面がお母さんの仙骨(お尻の方)を向くように回旋しながら進みます。これを第二回旋といいます。この回旋が起こらないまま出口まで進行してしまうのを低在横定位といいます。へその緒が絡んでいたり、広骨盤のとき起こりやすいです。分娩が長引き、赤ちゃんの呼吸・循環器系の不全のリスクが高くなりますが、陣痛が強まるとそのまま分娩は達成できる場合が多いです。

 

第三回旋

骨盤出口から産道は尾骨方向ではなく、前方の方へ口を開いているので、尾骨側に体を向けていた赤ちゃんは、そのまま侵入していくと、恥骨結合下縁辺りを軸として、首を反らすような形になります。これを第三回旋といいます。そのまま頭が外界に出てきます。

 

第四回旋

最後に、赤ちゃんの体の中で一番幅のある肩が、骨盤に引っかからないように、骨盤出口の付近でお母さんの股関節の方へ体を向け(側方へ)ます。これを第四回旋といいます。骨盤出口では横幅より前後幅の方が長いのでこのポジションになります。頭が会陰から出た後は、まず母親の前方(恥骨側)の肩からでて、次いで尾骨側の肩が露出して、全体が出ます。

肩甲骨の辺りで引っかかって、最後に出れないのが肩甲難産といいます。体重が4000gを超える発育児になりやすいと言われていますが、正常発育児でも起こる事があり、発症頻度は0.6~1.4%となっています。臍帯からの血流が行かず、胸が産道で圧迫されるので呼吸ができず、赤ちゃんが低酸素状態になり、脳障害を起こす危険性があります。

 

骨盤の関節の動き

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(c)フリーメディカルイラスト図鑑*関接×⇒関節○

一般の産学や解剖学の教科書によると、「恥骨結合や仙腸関節は分娩の際に多少の離開が起こる」と記されているだけで、具体的に何ミリ程度広がるのか?が記されていないのがほとんどです。この離開幅の数値を計るためには、分娩中にX線撮影をして計測しないとわからないと思うのですが、倫理的に無理だと思うので、そのような研究論文はなさそうです。

妊娠黄体と胎盤からはリラキシンというホルモンが出ています。これは恥骨結合や仙腸関節を弛緩する役目がある他、子宮頚部を柔らかくし、子宮の収縮を抑えて流産を防ぐ役目があるホルモンです。

このホルモンのおかげで多少関節が広がるのですが、関節包やじん帯はコラーゲン線維と線維細胞からできているので、それらの結合が多少緩くなり伸びやすくなると思われます。しかし、限度があるのでそんなには伸びません。

離開幅は、一般には恥骨結合の方が仙腸関節に比べ大きいと言われています。Diane Leeによると妊娠中の恥骨結合の広がりは平均5mmと述べています。

 

 

 

妊婦さんに対するカイロプラクティックを理解していただくために

妊娠中におけるカイロプラクティックの目標は、

 

①マイナー・トラブルの軽減を目指す
②分娩時に正常および順調に進行するよう準備する
③特に産褥期の早期回復とその後の産後の体型の戻りを早める準備をする

という位置づけで実施します。

したがって巷で流行っているような、母体の骨盤を正せば赤ちゃんの障害が防げるとか、妊娠高血圧を防げるだとか、医学的・科学的根拠がない迷信めいた事的なことなどを言う気はありません

大和市のダフィーカイロの妊婦整体
(c)フリーメディカルイラスト図鑑

 

施術の姿勢は基本的に腹部を圧迫しないように横向きで行います。

お腹が大きくなるにつれ、仰向けで寝ていると腹部の動脈が圧迫され低血圧になり、吐き気や冷や汗が出てきたりしてくる事があるので、仰向けは避け、必要があれば半座位もしくは座位にて行います。

 

 

妊娠時のトラブル予防として

まず、骨盤帯を中心とした全体の関節・筋肉などの骨格系を整えることで、妊娠期における全体的な健康度を上げていきます。

 

骨盤帯の調整

非妊娠時でも仙腸関節などは多少の可動域を持っています。研究者によってこの数値は開きがありますが、前後への動きが2㎜以下、回旋が2°前後ほどです(場合によっては6~8mmの前後移動を唱えているものあり、逆に1mm以下を唱えているものもある)。

妊娠時はさらにホルモンの関係で上記よりさらに動きやすくはなっていると思いますが、それを支えるために骨盤・股関節周囲の筋肉が引っ張っています。バランスが悪いと一部分に負荷がかかり、耐え切れなく痛みを発します。

妊娠時に、妊娠前にあった体の歪みが、強調されて見えてくることがよくあります。お腹が大きくなるにつれ腹部・骨盤部の重心位置が前下方へひぱられて来るので、股関節上での骨盤の捻れがより大きくそちらへ引っ張られるように見えてくるのです。

分娩時の圧力がかかる時に、骨盤の歪みが大きいと、左右の関節に不均等に圧力がかかり、一方に関節の障害などが出やすい可能性があります。妊婦のカイロプラクテックのケアはそれを防ぐ目的で行います。

また、妊婦期から骨盤や体の状態を把握できていると、産後の回復のための施術を行う際、その歪みや関節の緩み具合が分娩前からあった元々のものであったのか、分娩時に新しく作られたものなのかなど、判断材料を得ることができます。つまり、産後の矯正が取り組みやすくなるというメリットがあります。

分娩時には、骨盤は緩みやすくなっている方が、時間が短くて済み、母子ともに負担が少ないので安産と言われます。初産で12~15時間、経産婦ではその半分くらいの時間が目安です。初産で30時間以上、経産婦で15時間以上かかるのを難産(遷延分娩)と言われます。

逆に正産期に入る前に産道が緩むと早産となります。骨盤の固定力は骨盤底筋群などのインナーマッスルと、腰部・股関節・骨盤帯のアウターマッスルの、筋バランスと筋の強さによって賄われています。この骨盤を固定する力を閉鎖力といいます。

この筋バランスが崩れているようならそれを改善するようにします。また、関節に関しては、不安定性が無いか、逆に固まって動きが悪くないかを左右のバランスを比較しながら探し、圧力がかかり過ぎていたり、固まって動きが悪い部分があれば、牽引手技を主体に除圧を行います。

 

マイナートラブルに対する処置

腰痛や坐骨神経痛については、筋肉の炎症が原因でしたら、その緩和処置をします。腰骨や仙腸関節の動きに不具合や、バランスの崩れによる負荷の局所的集中が原因でしたら、関節自体を調整します。坐骨神経痛で、子宮の増加による骨盤内圧上昇のための圧迫が原因でしたら、子宮自体は触れないので少し難しくなりますが、坐骨神経自体の滑走性を高めて(神経自体も少し移動する)、圧力が分散するように操作します。

足のむくみ・つりは、子宮によるお腹の動脈・静脈の圧迫によると考えられているので、足部の血流の循環を促すように足の緊張を取っていきます。

 

妊婦用ベルトについて

今、巷では妊婦さんの間であるベルトがとっても流行っていますが、特に当院では特定のベルトを進める、と言うのはありません。腰痛時にベルトをすると楽というのは非妊娠時も同じで、支持力が上がるので負担が減るためと考えられますが、通常のコロセットのように腹部に巻けないので、恥骨部に巻く事になります。

また、腰部・骨盤・股関節は連動して動くので、恥骨にベルトを巻くと、大転子(股関節の骨の出っ張り)辺りを締め付けるので、股関節の動きが制限され、併せて腰部の動きも制限されるため痛みが出ずらくなると推測されます。

ですが、それ以外の効果(赤ちゃんの障害を防ぐ、妊娠高血圧を防ぐなど)は考えられません。したがって、腰痛が何時までもの抜けず、つけると楽になるならつけてもかまわない、と言う程度です。もともとアジアを含めた外国には妊娠中にベルトや腹帯を巻く、と言う習慣は見受けられないようです。腰痛用に多少見かけるようですが。

逆に産後はじん帯が伸ばされ、ちょうど手足の関節を捻挫した時に固定するのと同じように、骨盤を固定するのは理にかなっているので、ベルトをすることはお勧めしています。

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