頭の位置の修正について

 

肩こりや頭痛の原因の一つとして頭部の位置異常があります。

今回は、当院で行っている頭部の位置異常に対する修正訓練を一部ご紹介していきます。

 

 

頭部の位置異常とは

理想的な姿勢から逸脱した頭部の姿勢を位置異常といいます。前後、左右、捻じれ(回旋)の位置異常がありますが、一番の問題となるのが頭部の前方移動、次いで左右の傾きとなります。

下の図のように頭部が前に出た姿勢では、頭の重心が体の前方に移動するので、支えるために首から肩にかけての筋肉が緊張しやすくなります。また、この姿勢が長く続くと首の骨のカーブの配列が失われ、いわゆるストレート・ネックになります。

 

首・肩の恒常的な緊張のため、筋の痛みが発生しやすく、また首上部にある後頭神経・耳介神経が圧迫され頭痛の原因になります。

今回は一番多い頭部前突位の修正を例にお見せします。

 

頭部の位置異常修正のために

頭部の位置異常修正のためのポイントは2点あります。

①頭部の位置感覚の異常

②筋力的な弱さ

位置感覚の異常に関しては、姿勢が崩れた状態を続けていると、その姿勢を脳の姿勢制御を司る部分が覚えてしまい、姿勢を正そうとしても違和感を覚え、元の崩れた姿勢に戻ろうとします。

頭部が前方に移動しているということは、バランスを取るために胸の部分は後ろに移動します。つまり背中が丸くなります。背骨を支える筋肉は伸ばされた状態になっているため筋力を発揮しづくなっており、徐々に筋力低下につながります。

筋力が低下したまま背骨を支えないといけないため、疲労が溜まり、トリガーポイントといわれる痛みを発する固まりが出来ます。これが出来ると、筋力を発揮しようと筋肉が収縮する時に痛みがでるので、余計に背中を丸めて背中の筋肉を緩めようとします。このような悪循環が出来上がるので、なかなか姿勢改善が進みません。

位置感覚と筋力発揮は、自転車の両輪のようにセットで機能するので、両方を同時に訓練します。

 

具体例

先ず、姿勢が正しく保てるように猫背の矯正を行います。痛みが出て背中を伸ばせないのであれば、その解消を目指します。背中の関節が硬くて背中が伸ばせないのであれば、関節の可動域を広げます。

体が理想の姿勢を作る状態になったら、次はそれが維持できるように訓練していきます。

 

座位・立位での頭部の位置感覚の修正訓練

座った状態や、体を真っ直ぐ立たせた状態で、首だけを動かし、自分の動かした感覚と、実際に体が動いた時の位置を適合するようにすり合わせていく作業を繰り返します。

目をつむって首を動かし、その後目を開けて頭部に着けたレーザーが示した位置を確認することで、自分が認識している頭の位置と実際の位置を比較し、感覚のズレを修正していきます。

また、胴体を動かさず首だけを正確に動かすトレーニングで首の位置感覚を向上させていきます。

 

うつ伏せでの頭部の位置感覚の修正訓練

立位・座位で行った頭部位置感覚訓練に重力負荷をかけ、難度を上げた訓練です。頭部・首を支える筋肉の活性化を促します。

 

まとめ

頭部の位置修正のためのトレーニングの一部をご紹介しました。

運動をするためには、まず土台となるしっかりとした姿勢を作ることが重要です。土台が狂っていると運動効果が少なくります。また悪い姿勢をさらに助長してしまう可能性があります。その点を気を付けて取り組むとよろしいかと思います。

では今回はこの辺で。

 

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