腰痛からバーベル・スクワットへの復帰(殿筋編)

【今回の記事はブログ統合のため、他ブログより転載したものです(初出2017年9月)。】

以前、筋々膜性腰痛からバーベル・スクワットへの復帰のファースト・ステップを記事にしました。

 

 

今回はその引き続きです。特に大殿筋からハムストリングにかけてをフォーカスします。

 

 

 

 

以前の記事では、股関節の屈曲角度を獲得して、骨盤が後傾になるのを防ごうという趣旨でしたが、今回は体の後面の筋肉の重要性に関して。

教科書では、バック・スクワットは大殿筋や、ハムストリングも主要に鍛えられる筋肉群として掲載されています。しかし実際行ってみると、大腿の内外側や前面、腰部にくらべて大殿筋や、特にハムストリングなどは効いてる感が得られずらいという感想を聴かれます。

腰痛でバーベル・スクワットができないでいると、ますます筋力低下が懸念されます。逆に言うと殿筋やハムストが弱いとより腰部に負担がかかりやすいとも言えます。

 

1、大殿筋のトレーニング

1-1、ヒップレイズ

まず最初に取り掛かるのはヒップレイズです。自重のみで行います。

画像はこちら

やり方は仰向けで寝て、足を骨盤の幅に開き膝を立てます。膝と足が平行なるように位置し、足裏は全体的につけます。息を吐き腹部を凹ませる(いわゆるドローイン)で体幹を固定し、膝・骨盤・方が一直線になる位置までお尻を引き上げます。足をお尻に近い位置に置いて、膝の曲げる角度が深いとお尻の筋肉に効いて、逆に足の設置位置をお尻から遠くにするほどハムストリングに負荷がかかります。

腰を反らすと痛い人は、お尻の位置が肩-膝ラインの位置まで持ってくると痛みを誘発する可能性があります。その場合は、少し低めの位置に引き上げを抑えて痛みが出ない範囲で行う必要があるでしょう。

さらに負荷をかけたい場合は、片足を浮かせます。

 

1-2、ヒップスラスト

スクワットやデッドリフトなど大殿筋を鍛える代表的種目がありますが、最大限に大殿筋を働かすことができません。そのため最近、大殿筋の特異的なトレーニングとして注目を浴びているのがヒップスラストです。

参考動画;youtubeより

 

やり方はベンチに肩甲骨より上の部分だけを乗せるようにし、股関節の前辺りでウェイトを持ち上げます。

注意点は、ベンチがずれないようしっかり固定しておくということです。また、シャフトが長いとバランスが取りづらいこともあります。骨盤へのシャフトの食い込みは結構痛いので、シャフトにパッドを巻いたり、クッションをかませると良いでしょう。youtubeの投稿動画では、勢いよく跳ね上げるように挙上している人を見かけますが、腰が痛い人にはリスクが高いので、今回ご紹介した動画のようにスピードをコントロールして行うほうを推奨します。痛みが出ないように、腰部の伸展が入らないように注意しましょう。

 

 

2、ハムストリングのトレーニング

 

2-1、シングルレッグ・ヒップレイズ

ヒップレイズのバリエーションで、ターゲットをハムストリングに絞った種目をご紹介します。

 

 

ヒップレイズでハムストリングをターゲットにする場合、足の位置をお尻から遠ざけるように位置した方がハムストリングに効きます。逆にお尻に足を近づける方がより殿筋に効きます。上の動画では、最初は両足荷重のノーマルバージョンを行っています。そこから片足上げに移行し、最終的に片足を伸ばしたままのヒップレイズに段階的な負荷のステップアップの仕方を紹介しています。

さらに負荷を上げたい方は、ヒップを持ち上げた姿勢から浮かしている足を左右に動かしたり、上下に動かしたり、サークルを描くように動かす、またはツイストを加えるなどの外乱を加えていくと良いでしょう。

 

2-2、ルーマニアン・デッドリフト

ハムストリングの代表的な種目としては、レッグカール・マシンがありますが、今回はクローズ・キネティック・チェーンといわれる脚部が地面に固定される方法をお伝えします。レッグカールのような足部が空中に浮くような運動形式は、オープン・キネティック・チェーンといわれ、ハムストリングの筋肉の収縮方向が違います。

腰部の炎症があり、立位での運動が大変な時期はレッグカールを先行して行い、ある程度、腰痛が治まってきたらこの種目に取り組んでみましょう。

 

 

ルーマニアンは、通常のデッドリフトよりハムストリングに効きます。膝の屈曲角度を極端に減らすため、ハムストリングが伸張されながら負荷がかかるという、遠心性収縮が強く働くためです。

通常のデッドリフトでは床からバーベルを引き上げ、立ち上がったところでフィニッシュですが、ルーマニアンの場合は立ち上がったところからスタートし、アイソメトリックにウェイトを下ろしていき、骨盤の後傾が入る手前で終了です。

やり方は、骨盤の幅に立ち、以前の記事で説明した胸を張って背筋を伸ばした姿勢(チェストアップ)をキープします。上体のその姿勢は崩さず、膝を軽く10°位の曲げ幅で、お尻を後に引きながら上体を前に倒していきます。バーベルが体から離れないようにして、バーベルを降ろします。よく見かけるエラーが深く上体を倒そうとし、骨盤が後傾してしまうことで、本人はまだこの位なら骨盤は後傾していないと思っていても、傍からみると腰部のフラットが崩れ、丸まってきているケースがあります。

最下点までいったら同じ軌道で上体を起こし、元に戻します。

スタートが立った姿勢からなので本当はラックがあった方が良いのですが、動画のように床からから始めても問題ありません。

 

 

3、殿筋に効くスクワットのやり方を模索する

腰の痛みがかなり引いてきた段階で、スクワットの動きを取り入れつつ大殿筋へのトレーニングもターゲットにしようという場合は、腰への負担を考慮しつつフォームの修正を考えていく必要があります。

膝が前に出すぎると大腿前面の負荷が増して、殿筋・ハムストリングの緊張感が感じずらくなることがあります。以前の記事にもあるように膝を前に出せば股関節・殿部周辺の負荷が軽減できるためです。逆に腰を後ろに引くと股関節・殿部周辺の負担は増大します。

 

 

膝がつま先より前へ出ないようにし、お尻の後方への突き出しと足裏の荷重点を踵にもってくるようにすると、殿部のストレッチ感とそこからの収縮感を感じやすくなります。

この際、上体を立てて腰が反っていると腹部の筋は伸ばされている状態であるので筋肉の出力が抑えられてしまいます。これは体幹での支える力が低下することを意味しています。そのため体幹部は反り過ぎないように真っ直ぐをキープするように留意します。多分、下っ腹を気張らせる(ブレーシング)すれば自然と体幹真っ直ぐはキープできます。

この時、バーを担ぐ位置が高いと前にのめりやすくなるので、ローバーに近い位置が担ぎやすいと思われます。パワーリフター系のやり方では視線をかなり下に向けることを推奨する人もいますが、一般的にはそれを行うと背中が丸くなりやすいのでここではそれを推奨していません。真っ正面かやや下くらいでOKだと思います。

 

まとめ

筋々膜性腰痛からの復帰のためのトレーニング・メニューとして、今回は殿部・ハムストリングという股関節伸筋をターゲットに絞ったものをご紹介しました。筋々膜性以外の腰痛でも基本的にメニューは適応できると思います。

復帰段階のメニューなので、最初は低負荷・高回数で行いましょう(15回以上のレッズ数で3~5セット)。無理しないでくださいね。

今回はこの辺で。

 

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