左手の痺れの訴えでのご来院

今回の施術の報告は、腕の痺れの40代男性のクライアント様です。

肩がこるのでいつもの行きつけのマッサージ屋さんを利用されたところ、毎回担当してもらう施術者ではなく初めての施術者に当たったそうです。

その時、肩甲骨の内側をかなり強く押されたそうでした。それ以来、腕に痺れが出るようになったという訴えです。

 

初回

手の痺れの訴えがある場合、まず考えられるのは2つあります。1つは神経的な問題。もう1つは筋肉的な問題。

神経的な問題の場合、多くが末梢神経が問題になり、神経走行の途中で神経が圧迫されてしまう絞扼障害か、背骨からの出口となる椎間孔で圧迫されている、もしくは椎間板に圧迫されている、といった点が考えられます。

筋肉的な問題の場合、トリガーポイントが生じた可能性があります。トリガーポイントは、発生した部位と離れた部位に痛みや異常感覚を引き起こすことがあります。

この方は首を後ろに反らすと、左肩後面から上腕外側、左前腕背面、親指甲側にかけてビリビリとした痺れ感が出ます。症状が出る範囲が橈骨神経の支配に沿っているので、橈骨神経障害の可能性が高いことが推測されます。

一方、橈骨神経と同じような範囲に関連痛を引き起こすトリガーポイントの発生点としての筋肉は、肩甲骨上にある棘下筋や、首の横にある斜角筋、脇の下の後ろ側にある広背筋が有名です。

このクライアント様の肩甲骨内側を強く押されたのちに、手の痺れが出たということであれば、筋肉としては菱形筋や中部僧帽筋、脊柱起立筋が痛めた候補としてあがります。これ等の筋がトリガーポイントとなった場合は、基本的にはトリガーポイント周辺に痛みを出し、あまり遠くまで痛みを飛ばさないことになっています。

もし肩甲骨内側が手の痺れの原因となっているならば、可能性としては肩甲骨内側には肩甲背神経という第五頸神経由来の神経があるので、その神経が障害されると背骨からの出口のところで橈骨神経からくる神経と合流する際に情報の混濁が起こることが考えられます。

しかし、今回のケースでは、トリガーポイントや肩甲背神経を圧迫しても症状の再現がありません。通常ですと、問題のある組織を刺激すると症状の再現がなされるものです。しかし、その兆候が見られないということは、そこが原因ではない可能性が高いです。

そこで今回は首の神経を中心に施術することにしました。

 

経過

最初の5回目までの施術で左手の痺れ感は減ってきました。当初はビリビリとし電撃痛のような痛み方だったのが、ジワーンとした鈍痛になり、程度が軽くなってきたようです。

矯正の内容は首の骨間の牽引や周囲筋のリラグゼーション、首の骨の向きを調整する操作や、ポキっという矯正、神経の滑走性の改善する手技などです。また、首の土台になる胸郭の調整も同時に行いました。

この中でも特に効果があったと思われるのは、首の骨の向きの調整と、ポキっという矯正(SMT)でした。

首の筋肉をリラックスさせる施術は逆に症状を出やすくさせているようでした。多分、障害部位に支えが弱くなり、負荷が障害部位にかかりやすくなるためと推測できます。そのため頸部の筋の強化を取り入れて、自宅でもエクササイズに取り組むよう指導させて頂きました。

それ以降は症状の改善がプラトーに達したので(現状維持状態)、さらなる効果向上を目指した、肩関節の使い方改善に取り組むようにしています。特に仕事の作業中に症状が出るようなので、その作業中の体の使い方の改善が症状改善に寄与すると考えられます。

現在も施術は継続中なので、今後も症状の変化を注意深く見守って施術を進めていきたいと思います。

 

考察

最初の発症起点は、マッサージ屋の施術を受けた後という事であったので、筋肉の障害のように考えられますが、筋肉を押しても症状の再現がないこと、首を反らすと症状が出ることの2点から、首の問題を予想しました。

推測ですが、もともと首の障害により神経が刺激を受け、その神経の支配筋に症状が出て、肩の凝りと感じられていたと考えられます。今回は、手の痺れが出始めたのと、マッサージの施術を受けたのタイミングが重なったためか、肩甲骨間にある肩甲背神経(頸神経5番メイン)を刺激し、橈骨神経(頸椎5~胸椎1神経由来)が過敏になったためか、でこの様な発症起点になったと考えられます。

とは言え、あくまでこれは私自身の推論でしかなく、筋の障害が原因の可能性もなくはないので、保険として同時に肩甲骨間の筋の施術も併せて行ったいます。

中高年以降の男性の手の痺れでは、カルシウムが付着し神経の通り道を狭めてしまう頸椎後縦靭帯骨化症という病気が原因のことがあり注意が必要です。その鑑別の為にも医師の診断を受けることを強くお勧めします。ただ、当院で今まで見てきた後縦靭帯骨化症の方は、ある方向に首を動かすと痺れが誘発するというのでなく、常時痺れがあるという方がほとんどであったので、今回は少し違うようです。

 

まとめ

今回は手の痺れのあるクライアント様のケースレポートでした。

現状で似たような境遇にある方に何か参考になることがあれば幸いです。

では、今回はここまです。

 

 

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