していい誤診と、ダメな誤診

 

 

今日はダフィーカイロです。

このホームページや、別サイトでも何回か述べていることですが、当院は医療機関ではないので、診断行為はできません。診断行為は医師が行うものであり、医師でない者が行えば医師法に抵触するからです。

一方、すでに当院をご利用になられた方ならご存知と思いますが、当院ではやたらと検査を行い、重視しています。診断をしないのに検査して、何にしてんの?と疑問に思われるでしょう。

今回は前回提示した症例を題材にして、当院の「検査」や、それに基づく「診断」についての考え方、取り組み方を述べてみたいと思います。

 

 

1、診断行為なのか?

前回の症例のおさらいです。左手の小指・薬指側の手部を含めた局所的痺れ感・知覚鈍麻で、他の神経学的および整形外科的所見の乏しい、症状が数ヶ月に渡って続く60代女性のクライアント様の症例でした。

この症例を題材に、クライアント様へ病院への受診・検査を促す場合を考えてみたいと思います。

この様な場合、昔でしたら「首、肩から手にかけて原因部位を探しましたが特定できなかったので、ひょとすると脳や脊髄に何か問題があるかも知れないので、一回、病院で診てきてもらえませんか?」などと、わりかしヤンワリと提言していました。

これは、最初の部分で述べた『医師以外のものは診断をしてはいけない』という法律に抵触しないよう配慮した為です。

しかし、こうした緩い表現で医療機関への受診を促しても、重要さ加減が伝わらないためか、ほとんど真剣に受診しようとする人はいませんでした。

そのため現在では、もう少し突っ込んで具体的な病名をだして、「こういった問題があるかも知れないので、一度、専門医での検査を受けてきてください」と告げるようにしています。上記症例の場合でしたら「頸部上部の病変や、局所的な脳梗塞などの可能性がある」という具合です。

これなどは、可能性のある疾患をいくつか羅列して、『可能性がある」と言っているので、断定して言っているわけではにので、診断には当たらないという解釈です。

ただ、これでも診断をしているという人がいるかも知れません。

仮にもし、これが「診断」にあたるとしたならば、あえて当院では診断をします。それは何故か?

それは、「検査をしない、そしてそれに基づいて診断をしない」という事で、もし重大な疾患が隠されていたのを見落としてしまうということが起きたのなら、その方がクライアント様にとって不利益がかかる、という事実があるからです。同時に当方にも「あそこは何も分からないくせに、適当なことをやっている」というレッテルを貼られてしまう可能性が起こります。

 

 

2、していい誤診と、ダメな誤診

そこで、先に挙げた症例のクライアント様にこの様な疾患の可能性がありますよ、と告げました。しかし、実際には上記で上げたような疾患に当院のような施術院で遭遇することはめったになく(大抵の場合は、もっと付帯する症状がでるのでそれとなく分かる)、ほとんど危惧に終わります。

するとこれは「誤診」ということになります。まあ、厳密に言うと診断でないので「誤診」でもないのですが。。。

この場合、この「誤診」は単にクライアント様を不必要に心配を煽って、混乱させる悪質な行為なのでしょうか?無駄なことを吹き込んで、余計な出費をクライアントに促しているのでしょうか?

そのことに対して当院では、こう考えています。

 

「クライアント様の重要疾患を見逃すリスク」と、「診断行為を行っていると疑われるリスク」を天秤にかけるならば、「重要疾患を見逃すリスク」を犯す方がクライアント様に不利益を及ぼす。また、それを防ぐ方がより社会的責務があると思われる。したがって、「診断行為をしていると疑われるリスク」を犯してもあえて可能性があることは告げる。

 

当院が下した見立て(病気の候補)があるにも関わらず、その事をクライアント様に告げず、そのため検査を受ける機会を失うということは、仮に本当にその病気があった、もしくはさらに隠された他の病気があった場合、発見が遅れ、症状の重症化を促してしまう事に繋がると思われます。

仮にその病気が無かったとしても、当院が下した見立ては「誤診」であるかもしれないが、重大な病気・障害を見逃してしまうリスクに比べれば、クライアント様の利益を優先するならば必要なことであると考えています。

つまり

 

していい誤診→重大な問題の可能性を潰すためにあえてする誤診

ダメな誤診→重大な問題の可能性があるのに見逃してしまう誤診

となるのです。

 

3、手技療法業界で懸念されること

手技療法の世界では、症状の治療をしているのでなく体全体の調子を整えているので、例え脳腫瘍があろうが脳梗塞があろうが、脳脊髄液の循環や、血流の改善、代謝の改善を図れば、免疫が働いて自然と自分自身で治そうとするので問題ない、と発言している人が多くいます。

まあ、その発言の是非は置いておいても、一度キチンと検査をし、病巣の有無を確認しておく必要はあると思います。状況をキチンと把握して施術するのと、しないで施術するのとでは、危険管理や施術効果の進捗度合いを推測するという面で大きな違いを生む事となるでしょう。

そのような現状把握を正しく行わないで、「手の痺れは血流障害で起こる事が多いので、体の循環を整えていけば良くなりますよ」などと言って無駄に施術期間を引っ張りることは、検査機会を遅れさせ、気が付いたときには症状が多方面に出ていて腫瘍や梗塞が進行していた、という可能性もあります。

この様な事を防ぐために正しい検査を受けましょうと訴えているのです。世の中に絶対は無いですからね。

 

4、まとめ

当院のいわゆる「診断行為」というものに対する考え方を述べてみました。断定的な物言いは「診断」そのものになってしまうので、当院では避けていますが、可能性のある事柄についてはクライアント様にアドバイスさせていただいています。

当院では気まぐれでこの様な発言をしているわけではありませんので、クライアント様におかれましても真摯に受け止めていただけると幸いです。

といっても、皆さんご存知のように、私の院内での発言の80%は馬鹿話なんですけどね。

 

 

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編集後記

 

この間、「パンピー」って死語になってるって初めて知りました。まだ私は普通に使ってるんですけど。。。

 

 

 

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