エコーによる腹直筋離開の観察例

 

すでに暑いですね。今年の夏は乗り切れるのか心配なダフィーカイロです。

過去に何回か、エコーを使って腹直筋離開の方の運動指導を行っていますという言及をしてきたと思います。今回は具体例を載せて説明していこうと思います。

今回の記事は、先に以前の記事を読まれてから読むと理解がスムーズになると思いますので、ぜひご一読を。

以前の記事はこちら

こちらの記事では、お腹を引っ込める運動(ドローイン)は腹直筋白線の幅を広げ、逆にクランチ運動は狭める効果があるということを各種文献よりご紹介しました。では、実際はどうなのか、またそれに対し個人差がある場合はどう対処すればいいかということを今回は記していきます。

今回のサンプルとしてエコー画像の対象となったクライアント様は、産後の腹直筋離開を疑い来院された方でしたが、見た目上あまり腹直筋の離開は安静時は明確ではありませんでした。そこでエコー観察を併用して適切な腹部運動の仕方を探すことにしました。

 

腹筋の収縮状況の違いによるヘソの上2cmの白線の幅の例

以前の記事で紹介したように、腹直筋離開はヘソから上の部分(上腹部)で目立ちやすく、起こりやすいといわれています。そこで観察ポイントの1点目はへそ上2cmの部分でのエコー画像となります。赤破線でなぞってあるのが腹直筋の輪郭です。オレンジの矢印は白線の距離を表しています。

 

平常時のへその上2cmの白線の幅

仰向けで寝て、腹部の筋が緩んでいる状態です。エコー画像では水分の多いところは音波が通過しやすく、暗めに写ります。エコー画像は音波が物質に当たって跳ね返ってくる反射の度合いを白黒の濃淡で表しているためです。逆に骨などの硬い物質は反射が強く起こるので表面が白く映ります。そこで、腹部を見ると腹直筋の境目が分かるので赤破線で囲んであります。

この画像では安静時の腹直筋間の距離は1cm未満となり問題なしのようです。

 

ヘッドアップ時のへその上2cmの白線の幅

一般的に腹直筋離開の離開幅を観察するための検査方法です。頭を持ち上げる(ヘッド・アップ)させることで腹直筋を緊張させ、筋の輪郭を際立たせることにより左右の筋の間の溝を分かりやすくします。この左右に開いた幅を計測するのが腹直筋離開の幅の計測でよく行われる方法です。

上のエコー画像ではヘッドアップにより、安静に寝ている時に比べ腹直筋間の幅が広がっていることが観察できます。腹直筋自体も筋の厚さがまし、楕円形に形が近づき緊張していることが伺えます。

この状態では腹直筋の間が安静時よりも広っていますが、距離的には1.5cm程度なのでぎりぎり腹直筋離開の範疇にはいるかな?という程度です。

 

 

ドローイン時のへその上2cmの白線の幅

ドローイン(お腹の引き込み動作)時の白線の状態です。以前の記事でもご紹介した通りドローインでは腹直筋の間が引き伸ばされる可能性があります。この方も若干の距離ですが広がっています。

これらの事はヘッドアップ時もドローイン時も距離が広が傾向にあるので、これらの運動を実施する場合に予防的に何か対策をとった方が良いということを物語っています。

 

腹筋の収縮状況の違いによるヘソの下2cmの白線の幅の例

ヘソから2cm下の部分は下腹部の腹直筋離開の指標として使われるポイントです。以前の記事では、この部位はエコーでの計測は白線の離開幅は明確に分かりづらい部位であると述べられていることをご紹介しました。が、今回のケースでは明瞭に映っていました。

 

平常時のへその下2cmの白線の幅

安静時は上腹部と同じような離開幅を示しています。

 

 

ヘッドアップ時のへその下2cmの白線の幅

ヘッドアップ時は下腹部の腹直筋は強く収縮し、腹直筋の距離が見られなくなりました。下腹部に対して腹直筋を収縮させる運動は、腹直金間の距離を縮める目的としては有効であるということが伺えます。

 

ドローイン時のへその下2cmの白線の幅

逆にドローインでは腹直筋の距離は広まります。これは以前の記事でも指摘していたことです。ドローインも腹部深部筋の機能改善には必要なので、ドローイン単体で行うより腹直筋を強く収縮する運動を取り混ぜることで下腹部の腹部筋を行う方がこの方には有効であろうということが推測されます。

 

これらの結果から導き出せること

このケースでは、下腹部の腹直筋間の幅を狭めるには腹直筋を収縮させる方が望ましいと考えられます。一方、上腹部ではお腹を凹ます動作や腹直筋を緊張させる動作は幅を広げるようなので、運動時に筋肉の位置を固定するためにテーピングやベルトなどでサポートしてあげる必要が出てくるでしょう。

今回の観察では腹直筋の幅のみをフォーカスして観察していますが、実際にはこのほかに腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋の収縮具合も観察し、総合的に評価します。腹部の深部筋は過剰に収縮させようとすると腰が反ってきて腰痛を引き起こしたり、間違った姿勢を作る原因になります。そのような場合は腹部の筋より骨盤底筋の収縮にフォーカスを持っていった方が良い場合があります。逆に腹部深部筋の収縮が弱くてできない場合は、強く収縮させる意識を持って行ってもらいます。

今回のケースでは腹直筋離開幅はそれほど目立ったものではないので、下腹部の突出は緩んだ筋と皮膚のたるみと、脂肪量の増加が可能性としてあります。その場合は体脂肪量を計測し、もし当てはまるようならダイエットも行っていく必要があるといえます。

 

まとめ

今回は一つのモデルケースを使って、腹直筋離開のエコー観察の実際をご紹介してみました。ご興味のある方はダフィーカイロプラクティックまでご連絡ください。

では、今回はこの辺で。

 

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