今まで静止画では腹直筋離開や腹部深部筋の評価が実際どう写るかというのはご紹介しました。

こちらです。


 

よりイメージしやすいように今回は動画です。

といっても当方で所有しているエコーは性能が悪いので、動画が記録できません(泣)

しょうがないのでモニターをカメラで撮影しています。モニター自体も明瞭ではないので分りづらいと思いますが、ご了承ください。昔の機械ですが、腹部深部筋の評価にはこれで十分対応はできています。

 

【ご注意】

すみません。腹斜筋の動画には右・左の記載がテロップでありますが、掲載している動画のテロップは全て左右が逆に間違って入っています。私は腹部のエコー観察をする場合は頭部の方に向いて足側に立ち、プローブ(端子)とモニターと観察対象を同じ向きに合わせるのでちぐはぐになることは無いのですが、動画編集を夜中にやっていたら寝ぼけてしまいました(涙)。本文中の記述は間違っていないのでご注意の上お読みください。

 

上腹部ヘッドアップ時の腹直筋間の幅の評価

右側の腹直筋と左側の腹直筋とその間の離開幅を順に観察しています。へそより3指分上のポイントが観察点です。

 

上腹部は離開幅が少なく、

下に静止画を示すので参考にしてください。赤点でなぞっている範囲が腹直筋です。

まず左側。

 

こちらは右側の腹直筋。

 

安静時の左右の腹直筋(白線)の幅。ほぼ離れてないです。

 

ヘッドアップすると腹直筋が左右に離されて白線の部分の距離が開きます(黄色い点で示しています)。それでも1cm未満。

 

 

ヘソ上部上部ドローイン時の腹直筋幅の評価

へその直上は通常2.7cmまでの離開は正常値とされています。これは西欧の文献によるものなので日本人はもう少し少ないと思われます。今回のケースでは2cm程度で、ドローイン時もあまり変化が見られません。

 

 

下腹部ドローイン時の腹直筋幅の評価

下腹部の観測点はへその下3指分のところです。

下腹部も弛緩している状態では1.5cmあるかないかの離開幅です。

 

弛緩時の左の腹直筋はこのように見えます。赤点で囲った部分です。

 

右の腹直筋はこちら。

 

右の腹直筋から白線(黄色の点で示してある)に移行する部分。

 

そして、緩んでいる状態での白線。エコーは深度3.7cmに合わせてあるので、モニターに映し出されている部分はざっと見で2cm未満になります。

 

ドローインを開始すると左右の筋の収縮に引っ張られて白線が引き伸ばされているのが見て取れます。これは以前、報告した研究と同じ現象です。厚さもその分薄くなります。

 

 

 

 

下腹部の両足上げ時の腹直筋幅の評価

膝を伸ばしたままの両足上げは、一番腹圧が高まります。腹直筋離開がある場合、亀裂部分に沿ってポコッと隆起が起こります。下腹部での観察で両足上げを行ってもらいました。

 

 

ここでは腹直筋の右側が映っています。

 

足の挙上を始めると筋腹がふくらみ、筋が活動しだしたのが分かります。

 

腹直筋離開部の隆起に伴い右腹直筋が左に急速に移動したのが見て取れます。離開幅の拡大を意味します。これは離開幅を助長するので、やってはいけない運動ということですね。

 

 

 

左腹横筋収縮の評価

離開の幅の変化だけでなく、腹部深部筋の機能評価も見る必要があります。特に腹部深部筋の機能不全で問題なるのが腹横筋に関するものです。腹横筋が単独で収縮できる人は、日常的に動作の先行として腹横筋を使うことができていることの指標とされています。これは体幹安定化のポイントになることなので、腹直筋離開により機能不全が起こっているかを観察します。

 

腹部の深部筋は3層構造になっています。と言っても外腹斜筋は表面から見えるので深部ではないですが。。。

今回の評価ターゲットは赤点で囲んだ腹横筋です。

 

ここでは腹横筋の分離収縮を行ってもらっています。内腹斜筋をなるべく使わず、服横筋だけでできるだけ単独収縮を意識してもらっています。このクライアント様は優秀です。

 

 

 

 

 

右腹横筋収縮の評価

 

 

右腹部の深部筋の解説図です。

 

右も左と同様に理想的な腹横筋の分離収縮を行うことができます。

 

 

このケースで推奨される運動方法

このクライアント様では次のことが観察されました。

①腹部深部筋は左右差なく、有効に使えている。

②上腹部は離開があまり見られず、ドローインしても白線幅は広がらないが、ヘッドアップすると若干の広がりがある(生理的範囲内)。

③下腹部は離開とよばれる範囲にあり、ドローインすると幅が広がる。

④今回、ミスでヘッドアップ時の撮り逃しがあったので映像をお見せできませんが、このクライアント様の場合ヘッドアップでは下腹部の離開幅は減少しています。ただし、さらに腹圧が高まる両足上げは離開を広げ隆起させる。

これらの情報から、左右均等の運動で下腹部メインで、クランチなどを中心としたエクササイズでメニューを組み立てていけば良いことが分かります。この方はそり腰でもありますが、体幹深部筋が有効に使えるので、積極的にコアトレを行っていくと良いと思われます。

 

まとめ

通常、体幹深部筋は触診だけだと表層筋の緊張具合により収縮具合が分かりずらいことがあります。また、左右差も把握しきれなかったり、術者の思い込みで違った結果を捉えていたりすることがあります。そのようなミスを防ぎ、精度をあげるためにも今回ご紹介した方法は有効ではないかと考えられます。

では、今回はこの辺で。

 

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