目まいや産後の問題に関しては市外からお越しいただくクライアント様が多数いらっしゃいます。今回の目まいのケースは、色々な目まいを経験した30代女性クライアント様の場合のご紹介です。

 

 

経緯

子供のころより30分前に前兆が起こる典型的な偏頭痛持ちだった。妊娠5ヶ月目のある日、突然回転性目まいが起こった。良性発作頭位めまい(BPPV)の症状で、頭を動かすと目まいが起こるが、繰り返すと目まいが起きづらくなるなど特徴的で、耳鼻科でエプリー法を行ってもらうとすぐ治った。4ヶ月前に出産したが、それ以降、以前より偏頭痛がひどく起こるようになった。1ヶ月前に偏頭痛が再発したが、それ以降ずっとふわふわした感じや、頭が後ろへ引っ張られるような感じが出るようになった。その数日後、耳のつまり感もでてきたので耳鼻科にいき聴覚検査をしたら低音難聴は判明し、メニエール氏病の診断が下った。また数日後、症状が続くのでメニエール外来を受診すると、今度は良性発作性頭位めまいの診断が下った。そのまま症状が続くので当院へ来院。

上のような経過を経たクライアント様でした。お話を伺った限りでは、5ヶ月前に起こった目まいは典型的な良性発作性頭位目まいの特徴を見せており診断通りのようです。特徴というのは、目まいを反復するさせると継続時間や程度が弱まってくる、エプリー法(耳石置換法)で改善するなどです。

その次にメニエール氏病の診断の下った目まいは、今度はエプリー法でも解決せず、低音難聴という特徴的な症状まあるのでメニエール氏病の診断も納得できます。一般的にBPPVでは難聴の併発はあまり知られていません。メニエール氏病の発作では、通常回転性目まいが起こりますが、程度が低かったり、両側性に起こった場合はフワフワとした浮動性目まいになる場合もあります。

メニエール氏病の発作が治まった後も、三半規管の調子が全快せずダラダラと不調を引きづるというのはよくあることです。しかし1ヶ月近くも同じ状態が続くというのはあまり聞きません。

 

当院での処置

各医療機関でその都度検査は行っており、先にあげた兆候以外に異常所見は見られていないようでした。当院でも確認のため一通り検査を行いました。眼球運動で若干の右方向の動きが鈍く、指鼻検査で若干右が鈍でしたが、それ以外の小脳、半規管、眼球のテストは正常でした。右肩が下がる姿勢のためか継ぎ足歩行と片足立ちは難があります。聴覚に関しても音叉テストは異常はわかりませんでした。

実際にBPPVやメニエールなど順々に罹患してきたとしても、現在出ている症状は当てはまらないようです。お話をお伺いしていて1つポイントと思われたのが、今回のめまい感の発生が偏頭痛が発症してからなので、偏頭痛性の目まいの可能性があるということです。既存の症例報告などでも偏頭痛に伴い難聴や目まいが起こることが記載されています。

偏頭痛性のめまいでは頭痛自体はないかあってもごくわずかであり、ハリソン内科学によるとこれを「無頭痛性片頭痛」とよび、めまい受診の約三分の一はこれではないかと推測されているそうです。また別名では「前庭性片頭痛」と呼ばれることもあります。

そして次々とBPPVやメニエールが起こるということは、要はもともと前庭器(平衡器)が弱いと推測されます。そのため体調の変化によって内耳の中が影響を受け、リンパの産生量が狂ったり、耳石がはがれたりするのであろうと考えられます。偏頭痛も頭部の血流障害が原因なので、内耳の血流も乱れ影響が出てもおかしくありません。女性は出産を機に体質が変化することはよく見られます。そのような影響も加わっていると想像できます。

以上のことから今回は偏頭痛に対するアプローチをメインで行いました。一応、施術後の目まい感はゼロ。後はその状態が長く保てれば良いのですが、それは様子を見てという形で。調子が崩れてきたら再来院するよう告げてこの回は終了しました。

 

まとめ

繰り返しになりますが、目まいの原因は色々あります。目まいだけに限りませんが、それぞれの症状には色々な原因があるので、短絡的に○○が悪いから体が悪くなるというような考え方をせず(頚椎1番がズレてるから…など)、キチンと原因を探すことが重要と考えます。

では、今回はこの辺で。