新型コロナ・ワクチン接種後の肩の痛み

 

そろそろ周りでも、40~50代で新型コロナのワクチン接種を済ませられた方がそこそこ見られるようになりました。

その様な方々の対応するうちに、気付いた点がいくつかありましたので今回報告させて頂きます。

内容は次の通りです。

①接種後のご予約について。

②接種後に肩が痛くなった場合。

③五十肩が接種後に痛くなくなった場合。

 

接種後の施術について

当院の予約を入れる場合、ワクチン接種を済ませてから4日くらいは空けて頂くことをお勧めします。接種後、2日くらい経った時点でもまだ発熱がある方が稀にいます。接種2日後なら大丈夫だろうとご予約を入れておくと、当日まだ熱が下がっておらずキャンセルとなってしまうことになります。

 

ワクチン接種後に肩が痛くなった場合

発生機序

新型コロナ・ワクチンの副反応そのもので五十肩の様な痛みが起きることがあります。ワクチンの作用であるスパイクタンパク発現が原因と考えられていますが、詳しい発生機序は分かっていません。

それとは別に、筋肉注射による滑液包の損傷で、五十肩のような痛みが引き起こされることがあります。これをSIRVA(Shoulder Injury Related to Vaccine Administration)といいます。

通常、ワクチン接種後の痛みは1週間以内には消えてしまいますが、SIRVAの場合はそれを超えて痛みが続き、長い場合は数カ月間痛みが続くことがあります。

 

上の図は左肩の関節周りの構造の模式図です。画面中央の肩峰の下に青く塗っている部分が肩峰下滑液包です。そこから連続して下に紫色に示されているのが三角筋下滑液包です。これらの滑液包は繋がっていて、中の滑液という液体が交流しています。滑液包は組織のクッションの役目をし、それぞれの組織の擦れの軽減の働きがあります。

これらの滑液包は肩峰から4~6㎝ほど外側に張り出しているので、肩に筋肉注射をする場合、これを傷つけてしまうことがあります。

 

治し方

ワクチンの副反応による肩の痛みなら放置しておいて問題ありません。いづれ消えます。

滑液包の炎症による痛みなら、四十肩・五十肩と治し方は同じです。四十肩・五十肩の原因として滑液包の炎症があるからです。

炎症があるので、炎症を悪化させないように関節の当たり具合を改善します。また、肩の痛みで動かさないようにするため、肩や肩甲骨周りの筋肉・組織が硬くなっていることがあります。これらを緩めることで肩周辺が動かしやすくなり、日常での動きで肩の痛む瞬間が減ります。

 

ワクチン接種後に肩の痛みが無くなった場合

一方、ワクチン接種前には肩の痛みがあったのに、注射したら返って肩の痛みが無くなった、という話を聞くこともあります。

この原因は、確かなことはいえませんが、ハイドロ・リリースと同じ様な機序が働いたのではないかと推測されます。

ハイドロ・リリースとは、筋膜の癒着により引き起こされる痛みの改善のため、生理食塩水を注射で癒着部に注入し、くっついているところを剥がすといった治療法で、近年注目されている療法です。

五十肩の場合、炎症により関節包や滑液包が周辺の組織(主に筋肉)と癒着を起こすことがあり、それが長引く痛みの原因になっていることがあります。

ハイドロ・リリースでは、その癒着を起こしている部位に生理食塩水を入れ、水で膨らませて剥がします。コロナワクチンの注入液が、ハイドロ・リリースの生理食塩水と同じような働きをし、もともと組織が引っ付いて肩の痛みを引き起こしていたものを剥がしているのではないかと推測されます。

 

 

コロナワクチンの副作用のおさらい

症状 ファイザー(1回目、2回目) モデルナ(1回目、2回目)
疼くような痛み 92.6% 89.5% 86.5% 88.2%
倦怠感 23.2% 68.9% 26.8% 83.9%
頭痛 21.4% 53.1% 17.4% 67.6%
発熱(38°以上) 0.9% 21.3% 2.1% 61.9%

 

この表は、NHKの新型コロナ・ウイルス特設サイトから持ってきたもので、副反応の発生率でを表しています。痛みは注射した側の腕のものです。腕の痛みは大なり小なりほぼ出ると考えていた方が良いようですね。

肩が痛くなった場合も、まずは1週間ほど様子を見てみるとよろしいかと思います。それ以降も続くようであれば、カイロプラクティックの元を訪ねてみるのも良いでしょう。お役に立てると思います。

 

まとめ

今回は、新型コロナワクチンにまつわる事象で、当院で見られたものを主にご紹介してみました。特に肩の痛みに関しては、長引くものはカイロプラクティックの適応となりますので、悩まれている方は参考にしてみて下さい。

では、今回はこの辺で。

 

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