膝の半月板周辺の痛みと、太もも外側の痛みのケースの比較。

naturwohl-gesundheitによるPixabayからの画像

 

同じような症状でも、アプローチが違う方法で改善する場合が有ります。一方、違う症状でも同じようなアプローチで改善する場合が有ります。

その場合、他人からみたら同じような場所をいじっていて、同じような処置をしているように見えても、実が操作方法が逆であったり、違う目的をもって行っています。

ただ、これを内容をよく理解していない人が端から見ると「誰に対しても同じようなことをやっていて、いい加減な施術者だな~」という感想をもたれ兼ねないです。

実際に手持ちの手技が少なかったり、知識不足であったり、いい加減であったりして、誰に対しても一様な処置しかしていない施術者もいますが、本当にそうなのかは一見しただけでは分かりません。

今回ご紹介する2つの膝周辺にまつわる症例を元に、これらの違いをニュアンス的に伝えられればな~という目的で記事を作りました。

 

A様 原因不明の急な膝の痛み

概況

40代女性のクライアント様です。

2週間前のある日、ショッピング中に階段を降りるとき、急に左膝に違和感を覚えたそうです。次の日には痛みが強まり、その翌日にはさらに痛くなり歩行困難になったとのこと。そこで整形外科で受診したところ変形性膝関節症の診断で、水を抜く注射をし、そこから数日間、高周波をかけたりなどリハビリを行ったところ、杖をついての歩行が出来るまでは回復したそうです。

ところが、その数日後から再び徐々に痛みがぶり返してきて、昨日が最も痛くなり腫れも一番大きくなったので、当院のご利用となりました。

評価と施術

しゃがみ込むと膝が90°くらいで痛みます。この時点では腫れはあまり無いようでしたが、左膝の関節前面に著名な圧痛がありました。また、関節の動きを色々みていくと、膝下の骨を外側に捻る動きをすると痛みが軽減するようです。

半月板辺りにに痛みがあるので、エコーで観察してみるとこの様な感じ。

左の黄色▲で辿ってあるラインが大腿骨(太ももの骨)、右の黄色▲で辿ってあるラインが脛骨(スネの骨)、それらの谷間にうっすらと見えるのが半月板です。青色▲で示してあるのが外側の半月板から連続して見える異物らしき影です。組織液が貯留しているのか何なのか、ちょっと分かりかねますが、そもそもカイロプラクティックでは医師の様な診断をすれば違法行為なので、する必要はありません。

ここで重要なのは悪そうな部位の特定であり、それが関節運動の不具合から負担が集中して引き起こされているのなら、それを軽減するようにカイロプラクティックの手技を適応していくだけです。

この場合、半月板と関節とのラインが何らかの原因で不揃いになっているっぽいので、当院のお得意の関節の運動を使ってそれを修正していきます。今回では動かすと痛いので、等尺性収縮という体の動きを伴わない運動で修正していきました。

また、太ももの前の筋肉は張っていると、突っ張って膝を曲げるとき邪魔になるので、そこも緩めるようにアプローチ。

初回の施術で、しゃがんだ時の膝の角度が120°くらいまで沈み込めるようになったので、それで様子を見てもらうようにしました。

2回目来院時のご報告では、大分改善されている様で小走りくらいは出来るようになったとのことでした。そこで前回の施術を踏まえて、前々回の記事「変形性股関節症についての雑感」の中で述べたようなクライオセラピーを使用した運動の方法を取り入れ、さらなる効果促進を狙いました。

術後は、正座が出来るようになったので、今後の日常のケアのご説明をしてこの回で終了しました。

 

 

Jill WellingtonによるPixabayからの画像

 

 

B様 急な負荷が脚にかかり太ももの挫傷

概況

50代男性のクライアント様です。

当日の朝、階段から左足を踏み外し、1段下のステップで踏み堪えた瞬間、左太ももの外側が痛み出した。安静にしていると痛くは無いが、脚を動かした瞬間に痛み、歩行でも痛みが出ると仰ります。そこで当院にご来院となりました。

 

評価と施術

痛む範囲は左膝上~太もも下半分の前外側面です。場所的には大腿四頭筋の外側広筋にあたります。膝を曲げるのも70°くらいから痛み出しました。膝、足首には痛みがなく、筋肉メインの痛みのようでした。

外見上で腫れがみられます。その時がこちら。

左膝の上のが右に比べて盛り上がっていて、お皿の上部がラインが不明瞭になっているのが観察出来ます(矢印で示した部分)。

初回は急性なので一般的な炎症処置と、太ももの筋の負担を減らすため、膝下の動きの改善を行い様子を見てもらいました。これだけでも歩行時の苦痛が半分くらいに軽減したようです。

3日後、来院時は痛み自体は当初の半分くらいになったそうですが、膝を曲げるのが大変とのこと。

この時点では当初の膝上の腫れは引いていましたが、膝下の外側が多少腫れて黒ずんでいて、明らかに内出血した血が下へ降りて貯まってきているのが観察されました。

そこで今回はリンパの循環を促し、炎症により緊張してしまった周辺の筋の緩めを行いました。また、太ももの筋の負担を減らすようにするため、膝下の骨を等尺性収縮を使って運動させ、関節の動きの調整を行いました。

さらに6日後の来院時には膝の曲げる角度は160°までに回復はしていました。ただ、階段を降りるときにはまだ痛いということなので、同様の施術をし、さらに2週間後に来院して頂いた時の報告では、階段の上り下りや、しゃがんだ時の痛みなども消失とのことでした。

 

 

解説

1つ目の症例は膝の問題、2つ目の症例は太ももの問題となっています。

痛みの原因になっているところは違っていますが、大まかな施術は同じようなことをやっています。それは太ももの骨に対するふくらはぎの骨の運動のパターンを変化させるために等尺性収縮を使ったものです。また、両者とも膝を曲げる時に痛みが増していたので、それを邪魔していた太ももの前面や側面の筋肉の硬さも改善しています。

膝関節の骨運動の改善運動は等尺性収縮の運動なので、端から見ていると動きがなく、両症例の違いが分からないかも知れません。しかし、前者では膝を外捻り方向に、後者では膝を内捻り方向に行っており、少しアレンジがあります。

半月板の損傷や膝の変形自体は整形外科が対応する領域ですが、関節の運動のパターンを変えていくのはカイロプラクティックが得意な領域です。ですので、半月板周辺の痛みや太ももの痛みなど原因の違いはあれど、膝下の運動パターンを変化させれば症状の改善に繋がるならそれを行えば良いのです。

太ももの前面・側面の筋肉の緩めは次の様な目的で行っています。前者の症例では膝を曲げる動作で膝下やお皿の動きを妨げるため。後者の症例では、筋の炎症の後遺症として筋自体が硬くなってしまうのを防ぐためです。

 

まとめ

2つの症例は、1つは半月板周辺の痛み、もう1つは太ももの挫傷というケースでした。病態が違いうので初期の対応は違いましたが、そのあとの対応は同じような手技を適応しています。これは、アプローチは太ももの前面・外側の筋の緩めと、膝下の骨の動きの調整で同じ部位を操作しています。しかし、操作方向が違います。

今まで当ブログでは、同じ症状でもアプローチは様々で違う場合がある、一律に施してしまうのは良くないんじゃないか、っていうのを多く言ってきました。しかし、逆のパターンも有り、違う症状でも同じ手技で行うことも多々あります。このパターンの紹介が少なかったと思えたので、今回敢えて取り上げてみました。

今回はこんな感じで。この記事が当院を受ける際のイメージ作りにお役に立てれば幸いです。

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