今日はダフィーカイロの坂木です。

今回は、以前腰痛の記事でご紹介したマイクロカレントについてです。

 

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1、いきさつ

私が最初にマイクロカレントが良いと聞かされたのは、プロ野球のトレーナーからでした。腰痛や背部痛には、マイクロカレントとアイシングの組み合わせが一番効く、というのです。

プロスポーツや、ナショナルチーム・レベルのトレーニング現場のトレーナーの選手ケアを紹介している専門誌などでいろいろ探してみると、やはりこの組み合わせを使用しているところが多くあるようです。実際、当院のクライアント様で使われている方にお話を伺っても評判は良いようです。

メーカーの宣伝にはなってしまうのですが、実績集としてはこちらの資料をご覧ください。伊藤超短波はスポーツ医療の分野には有名なメーカーです。

伊藤超短波「スポーツ事業部・紹介ページ

 

2、マイクロカレントの原理

実は、マイクロカレントの科学的な効果・効用のメカニズムは未知の部分が多く、本当に効いているのかどうかというのは判らない部分もあります。しかし現場感覚では、効果を実感しているという感想が大勢を占めています。

現在、考えられているマイクロカレントの作用メカニズムはこうです。

細胞はイオンチャンネルを使い、代謝を行い生きています。つまり生体内には電気が発生しているということです。組織が損傷するとこの電位が狂ってしまいます。これを損傷電流といいます。逆にこの電位を整えるように電流を加えてあげると、イオンバランスが修復され、組織の回復の促進に繋がります。

この生体電流はとても小さいものなので、微弱電流(マイクロカレント)とよばれます。具体的には、10~30μAとされています。

しかし、現場活用が盛んな割には、治癒機序の研究論文は余りありません。その中から一部ご紹介します。

マイクロカレント療法は、研究現場ではMicrocurrent electrical neuromuscular stimulation(略してMENS)とよばれることが多いです。

 

【マイクロカレント刺激が損傷骨格筋の再生に及ぼす影響】

 

 Microcurrent electrical neuromuscular stimulation facilitates regeneration of injured skeletal muscle in mice.

J Sports Sci Med. 2015 May 8;14(2):297-303. eCollection 2015.

著者;Fujiya H, Ogura Y, Ohno Y, Goto A, Nakamura A, Ohashi K, Uematsu D, Aoki H, Musha H, Goto K.

【概要】

マウスを使った実験。MENSにより、筋衛星細胞が増加し、中心核線維の減少が促進した.MENSは筋衛星細胞を活性化し、筋損傷からの回を促すことが示唆.

日本語訳はこちらにあります。

 

【慢性歯周炎の治療におけるマイクロカレント療法有効性】

 

Efficacy of electrical neuromuscular stimulation in the treatment of chronic periodontitis.

J Periodontal Implant Sci. 2011 Jun;41(3):117-22. doi: 10.5051/jpis.2011.41.3.117. Epub 2011 Jun 30.

著者;Puhar I, Kapudija A, Kasaj A, Willershausen B, Zafiropoulos GG, Bosnjak A, Plancak D.

【概要】

無作為化対照臨床試験による、歯肉炎に対するマイクロカレント療法(MENS)の短期の有効性の評価。中等度〜重度の慢性歯周炎の患者20人による無作為による5回のMENS治療群と、比較対象群で6週間での測定。結果は、MENSが慢性歯周炎の治療において、対象群より優位に炎症が減少していた。

 

ちなみに効かないっていう論文もありました。

 

【二重盲検比較による遅発性筋痛へのマイクロカレントの影響】

 

Effect of microcurrent stimulation on delayed-onset muscle soreness: a double-blind comparison.

J Athl Train. 1999 Oct;34(4):334-7.

著者;Allen JD, Mattacola CG, Perrin DH

【概要】

3人の男性、15人の女性の計18人(平均20.33歳)の上腕二頭筋に運動による筋肉痛を誘発させ、24、48,72時間後にマイクロアンペア(200μA、30Hz、10分間、次いで100μA、0.3Hz、10分間)の処置をした。比較対象群は電極だけつけて通電させなかった。処置前後に関節可動域と痛みの程度を計測。有意差はなかった。

 

何でも効くって訳でもないようです。当たり前か。現実的には、複数の治療法を組み合わせて対応する場合がほとんどで、これのみで済ませてしまうことはあまりありません。

 

3、マイクロカレントを利用した器具

上記のような原理から細胞の再生を促すならお肌に良いだろうと、美容器具として流行りました。「マイクロカレント」で検索かけると、まず美容系の方からヒットします。

今回の話は治療器具系がターゲットです。以前はマイクロカレントの器具というと何十万、高いと100万円を越える物もありました。とても一般の個人がおいそれと購入できる代物ではありません。

そこで伊藤超短波という医療機器メーカーが一般向けユーザーのために3~4万円台の普及版を開発してくれました。はっきり言って、これは革命的です!

 

スタンダードモデルは出力チャンネルが1つ。値段は3万円台。
ATnini-Ⅱはアップグレード・モデルでチャンネルが2つ。2箇所つけれるということ。値段も高めで4万円台となっています。

当院ではお客様サービスとして、ATminiのレンタルを行っています。使用期間短く購入するまでもないという方や、買おうかどうしようか迷っていて試してみたいというような方に有用ではないかと思います。

レンタル料は消耗費として1日100円いただいています。また、当院を継続利用されている方のみになります。ご希望の場合は、別途ご相談ください。

 

4、マイクロカレントの鎮痛作用効果と、組織修復作用との目的別使用法の違い

マイクロカレントの機器には、通電用の端子がプローブ型と、パッド型の2種類あります。これはその機器のコンセプトによる違いです。

プローブ型は棒状の端子を手に持ち、ポイントに当てていき移動させていきます。パッドはそのまま貼り付けてるだけ。

鎮痛効果を狙う場合は、20分くらいで色々動かしたり、やり方にこだわったりしている人もいますが、そもそも作用機序があまりはっきりしていないものなどで、本当にそのやり方が正解なのかは判りません。

組織修復に関しては、あまり短い時間に電流を流したからといって、それで細胞活性が継続的に促進されたり、加速度的に促進されるというのはどうなのかな?と疑問なんですけど。

上記の考えから、当院では比較的長時間の通電をお勧めしています。けれど、実は長時間通電での効果の研究論文もほとんど見かけませんでした(一部の提案者がいるくらい)。まだまだ、これからの研究に期待といったところです。実際に長時間つけてもらうとすると、就寝中につけていてもうというやり方が一般的です。ATminiの場合、パッド装着で第三者の手がいらない、そして携帯していられるというところがミソです。

一つ注意点としては、本来、マイクロカレント(微弱電流)は感じない程度の、本当に弱い電流のことをいいます。ですがATminiは何故か少しチクチク感じることがあります。私は就寝中に装着していて、このチクチク感が鬱陶しくなって外してしまうことが良くあります。これも人それぞれなので、Amazonのレビューを見ていると、全く感じない人の方が多いみたいです。一応、ご報告までに。

 

まとめ

今回は当院の貸し出しアイテムの一つ、マイクロカレントのご紹介でした。この情報が皆様に何かお役に立てれば幸いです。

追記

改めて見てみたら、ATminiの値段が以前より少し上がった気がします。内容を修正しておきました(H29年5月現在)