筋トレがスポーツする人ためだけのものって誰が言ったの?

 

【今回の記事はブログ統合のため、他ブログより転載したものです(初出2017年5月)。】

 

1,一般人にも筋トレって必要なの?

レクリエーションなり、競技参加なり、いづれでもかまいませんが筋トレってスポーツ愛好者のみに関係することで、一般的にそれ以外の人には関係ないと思われています。

それではですね、よく猫背の人が「背筋を伸ばした方が良いですよ~」「ハイ、胸張って!」「背筋をピンとして!」とか言われて姿勢を正されたりしていますよね。

アレって、トレーニング業界では「チェスト・アップ」という姿勢で、筋力トレーニングの基本姿勢です。つまり、肩甲骨を寄せて、胸を張って、背中を真っ直ぐにするという姿勢です。それが負荷を体に加えたときに、怪我をせずに重みに耐える、力を発揮するというのに最適の姿勢であるとされています。デッドリフトやスクワットなどの脚や背中の筋肉を鍛えるときや、ベンチプレスなど胸を鍛えるときでも基本はいっしょ。

●デッドリフ

 

●スクワット (photo credit: JPHoesch IMG_7964 via photopin (license)

 

●ベンチプレス (photo credit: JPHoesch IMG_8531 via photopin (license))

 

ということは、ウェイトトレーニングをしようがしまいが、体に無理なく、健康的で、見た目も良い姿勢って言うのは全部共通で、特別なことではない!ということなんですね。スポーツ愛好者か、そうでないかは関係なし。だって、同じ人間だから。

そんなわけで私は、ここ最近は人間の体の効率的な動かし方のより実践的な指導法を学ぶべく、トレーニング系のセミナーを受講する機会が多くなってきています。なにもスポーツ選手専用になろうというわけではないのですが、スポーツで行われていることの負荷を落として、一般向けに還元できれば、より効果的に姿勢作りに有効だろうと思われるからです。

ただ単に良い姿勢をがんばってとりましょう!と言って指導しても、日常的に四六時中気にしているなんてことは無理です。良い姿勢をとろうと意識していれば、そのうち神経系の接続も発達してきて、姿勢保持筋も活性化し、姿勢が取れるようになる、と理論的には指導されますが、現実的ではありません。実際には、そこに行き着く前に姿勢はグタッと崩れ、楽をしようとします。ある程度、姿勢保持筋の筋量も必要であると考えます。そのためにはある程度の負荷を加えたトレーニングが必要です。

筋肉が発達してくると、姿勢維持に使う労力も減ってきます。そうするとより長く良い姿勢を保つ時間が持てるようになります。良い姿勢を経験する時間が長ければ長いほどそれが蓄積され、姿勢を維持する神経回路が活性化され、小脳などに学習され、記憶されていくのです。そうするとその良い姿勢というのが固定化されていきます。ここまでくればオートマティックに良い姿勢が取れるようになるでしょう。

ここまで読んできて、ちょっと待てよ、私も上(↑)の写真のような重りを持たなければいけないの?!っとビックリされたかも知れません。しかしご安心を。別にウエイトを持たなければいけないという訳ではありません。

先程お話しした筋トレ時の基本姿勢、チェストアップ(胸を張って、肩甲骨を内側に寄せる姿勢)をとってもらって、それを崩さず股関節から上体を前傾していきます。これだけで立派なエクササイズ(グットモーニングという運動)。さらに深く前に倒していき、同時にお尻を後ろに下げていくと、先程、写真を掲載してありますデッド・リフトの姿勢(ベント・オーバーの姿勢といいます)になります。

このような姿勢はただ単に突っ立ったまま、姿勢を伸ばして!とかやるより重力負荷がかかり、体幹や背筋、脚部の筋まで連携を取らせながら活性化させることができます。そこからさらに負荷をかけたい場合は、水の入ったペットボトルを手に持ったり、肩の後ろに担いだりしてステップアップしていきます。

運動の原則として、日常生活でかかる負荷より強めの負荷をかけることによって、筋の発達は促されるというのがありますが、それに従って行えば良いだけの話です。

 

2,動作改善にも筋トレは有効

いままでの話は、安静時の姿勢に関してのお話です。次に動作に関しても同じようにトレーニングが必要です。

例えば当院では、五十肩のクライアント様に最終的にはスナッチをしていただきます。理学療法士から言わせると「オイオイ、そんなことやらせちゃって大丈夫か?」と突っ込まれるかも知れませんが、当然その段階に行き着く前に、体の機能回復や、組織の修復が段階的に達成されているという前提があってのことです。

●スナッチ (photo credit: Paulo Sena IMG_4647 via photopin (license))

 

動作とは一つの関節や腕や脚だけというような、部分的なもので行われる訳ではありません。足から胴体、首肩、腕など全体を使って行われます。

五十肩の場合、ある程度回復して、腕が上に挙がるようになっていても、まだまだ背中が丸くて背中の筋肉を上手く使うことができず、腕だけで引き上げている人をよく見かけます。この様な人は症状の再発を起こすリスクが高いです。

スナッチ動作は下半身から背部、肩、上腕にかけての関節運動や、筋肉の連鎖運動を習得するのに役立ちます。当然その動作をいきなり行うのは、スナッチ動作自体が複雑なので難しいですが、適切な負荷と、分割した動作練習を積み重ねるとできるようになります。逆に下手にやると体を痛める可能性があります。正しい練習法で行えば、より効率的で、無理のない、怪我に強い動作をする事ができるようになります。当院ではそれを目指しています。

 

3,まとめ

動作の改善や、姿勢の改善をお教えしても、それをこなすだけの基礎的な筋力がないと、すぐに姿勢は崩れ、動作は元の癖混じりの動作に戻ってしまいます。それを防ぐためには筋力アップが必要である、というお話しでした。

これらのトレーニングの習得には、やはり自分一人では限界があります。最初は人に教わりながら実践することが望ましいと考えます。フィットネス・ジムに通われるのも良いですが、周りの人がいると、変に見栄をはって頑張り過ぎたり、間違ったことを行っている人の動作を見よう見まねでやってしまったりして、上手くいかないことがあります。

一番理想的なのは、日常の生活の中にこのような運動を組み込ませることができると良いです。そのためにはエクササイズをやることを義務と感じず、楽しみを見つけること、またそれ自体を楽しむことだと思います。その様な考えで取り組んでください。

今回はこの辺で失礼します。

 

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