マッサージ依存症
【今回の記事は以前、他のブログ掲載していたものを転載したものです(2015年1月初出)。】
以前、初診で来られた方でちょっと不審な人物のご紹介です。
当日に予約を入れたいと電話があり、以前当院を利用された方のご紹介だと言います。
しかし、どなたのご紹介かと尋ねると、名前を言おうとしません。何故、隠す必要があるのかと訝しがるも、まぁそんなに突っ込んで訊く事も無いなと受け流します。
そして実際、施術が始まると、自分は方々のマッサージの有名な先生のところにずっと通っている、と言うような事を延々と話しています。
じゃあ、なんでウチに来たんだ?そこ行ってればいいのに。
と思いつつも黙々と施術を続けます。
その先生達は「俺は体の治し屋だ」と豪語しているらしいのですが、
どのくらいのペースでマッサージ受けてるのが尋ねたら、
1時間以上のマッサージを2日に1っぺんは受ける、というのを年がら年中
やっているらしい。
「それって、治ってないじゃん!」
という突っ込みを入れたくなりましたが、
あえて触れない事にしておきます。
これってマッサージ依存症ですね。
正式な病名ではありません。勝手に名づけました。
依存症について
依存症 – Wikipediaに端的に表されているので引用します。
依存症(いそんしょう、いぞんしょう、Dependence)とは、WHOの専門部会が提唱した概 念で、精神に作用する化学物質の摂取や、ある種の快感や高揚感を伴う特定の行為を繰り返し行った結果、それらの刺激を求める抑えがたい欲求である渇望が生 じ、その刺激を追い求める行動が優位となり、その刺激がないと不快な精神的、身体的症状を生じる精神的、身体的、行動的な状態のこと
一般的には嗜癖(しへき、Addiction)とも呼ばれる。アルコール中毒、薬物中毒のように、中毒と呼ばれることも多いが、現在医学用語として使われる物質の毒性に対する急性中毒、慢性中毒は、依存症とは異なる。
渇望が生じている状態を「依存が形成された」と言う。依存は、物質への依存(過食症、ニコチン依存症やアルコール依存症といった薬物依存症)、過程への依存(ギャンブル依存症、インターネット依存症、借金依存症)、人間関係や関係への依存(共依存、恋愛依存症、依存性パーソナリティ障害など)があり、重大な精神疾患にいたるケースもある。
本当の意味で言えば、依存している状態によって、その人やご家族の社会生活や、人間関係に問題が出てしまっている状態が病気と呼ばれるので、今回の場合は単なる「マッサージ好き」ということになります。
別に、マッサージ好きのために生活が破綻したとか、周りに迷惑かけてる、という訳では無いので特に問題はありませんので、
余計なお世話だ!と言われそうですが、
ちょっと、当院とは目指している方向性が違うようです。
マッサージ業界的には、こういう人が増えてくれた方が業界が潤ってよいと思いますが。
オマケのうんちく。
依存症が引き起こる原因として、欲求が満たされるときに快感を感じる、ドーパミン作動性ニューロン(神経細胞)で構成された報酬系という脳神経回路が議論に上ります。
カイロプラクティックでは、この報酬系が上手く働かない原因に、脳の神経伝達物質の作用を阻害するような遺伝子異常を想定しています。
本当の依存症の治療では、カウンセリングが重要ですが、問題点は治療の離脱率が高い事です。
当院で提供しているニューロオリキュロ・セラピーは報酬系の働きを促し、不快感を軽減する事により、依存症治療からの離脱率を下げるのに役立ちます。そのためアメリカでは薬物依存症の治療で使われています。
今回はこんなところで。