診断行為について(腹直筋離開の施術を例にとって)

当院に初診で腹直筋離開を訴えてお越しいただくクライアント様の中に、このような要望で来られる方が後を絶ちません。

「このお腹が腹直筋離開かどうか診て(診断して)ほしい」

この件に関して結論から言えば、当院では「診断」はできません。そして、しません。診断行為をして良いのは「医師免許を持っている者だけ」です。

当ブログの症例報告でも多数、腹直筋離開のケースをご紹介し、その中で腹直筋離開の名称を便宜的に使っていますが、現場ではご本人に告げるのは腹直筋の間の溝の幅の計測値の変化のみであり、「腹直筋離開」かどうかは医療機関で診てもらう事を促しています。

似たような事例で、医師以外の血液検査による栄養指導というのが最近巷で見かけられるようになりましたが、その事については次回述べていこう思います。今回は腹直筋離開を例にとって、診断行為の是非を考えていきたいと思います。

 

 

医療類似行為と療術と診断行為

医療行為とは医師が行う医学に基づいた治療や診断です。看護師や理学療法士などは医療機関において、医師の指導・管理の下、医療行為の一部を担うことができます。生命や健康に影響を強く与える行為を行うため、それ相当の知識・技術・倫理観をもって行わなければなりません。

施術行為の位置づけとしては、医療行為の下に医療類似行為があり、その下に療術(慰安)行為があります。これは体に対する危険度・影響度による区分けとみなせます。

医療類似行為

疾病の治療や保健の観点から施術行為を行うが、医療行為(手術・投薬・検査など)に比べ体への危険度が少ない行為を行うもの。柔道整復、鍼灸、按摩マッサージ指圧のことを指します。医師の管理外で行われるが、柔道整復での5つの適応症以外での保険適応は医師の判断が必要となります。

療術

健康管理、健康増強や精神安定(リラックス)などを目的として行う施術を総称として療術と呼びます。上記の医療類似行為以外の施術行為が大体ここの分類に入ります。

診断行為

「あなたは心臓病です」「腎臓病です」などのように病名を告げることは診断になります。診断は医師以外の者が行うことは違反行為です。

また、医師から処方されて服用している薬を勝手に助言して中止させたり、増量させたりするのも、診断行為を行ったのと同等になり違法行為です。

実際、医療類似行為者による診断とそれに基づいた治療行為を行ったとして、柔道整復師や鍼灸師が逮捕される事例が過去にもあります。

 

 

施術所で鑑別診断を行う意義

ただ、何も評価しないで施術をすることは無謀です。何も考えないで人の体を触れることは、受け手に危害を加える可能性があるからです。そのため先ず、聞き取りの内容から判断して適切な評価・テストを実施します。その結果から鑑別を行います。

その結果、クライアント様ご本人には告げなくとも「ひょっとして病気かな?」と思われる結果が得られることがあります。その際、施術院で行う鑑別は2種類あります。

①除外診断

施術の適応以外の人を区別するための判断。要は他へ送るための診断。危険回避のための判断、診断。

このことは以前、当ブログの記事「していい誤診とダメな誤診」でも同じ内容のことを述べています。詳しくはそちらをご覧ください。

ズバリ、病名を告げることはないですが(診断になるので)、ひょっとしたら内臓からの病気でもこのような症状がでることがあるので、医療機関で診てもらっては?などのような提案をさせていただくことはあります。

②囲い込みのための診断

クライアントを納得させ、自分の施術所へ通わせるための動機付けの診断。本当に当たっているかどうかもわからないが、病名そのものを告げることにより相手を信用させ、自分を信頼させようとします。

この病名を診断し、クライアント様を通わせようとする行為には、背景として次の2つの観点があると思われます。

1つは自分の力を過信して、本当は治せないものを治せると信じ込んでいるのか。

もう1つは治らないことは解っていても、経営的観点から通院を引っ張れるだけ引っ張ろうという思惑です。

 

当院での施術でのスタンス

先の腹直筋離に対する施術の場合、当院のスタンスとしては

腹直筋離開があろうがなかろうが、腹直筋の間が離れているように思える、または腹部のポッコリと出てくるのが気になるという悩みを持たれている方に対し、それを改善効果が見込まれる訓練があるので、その方法をその人それぞれに合わせてアレンジし、提供するということを趣旨としてサービスをしています。

簡単にいうと、腹部を引き締めたいという方へサービスを提供するということです。

引き締める方法はあります。ですが、ここでは腹直筋離開という病名は重要ではありません。運動をしてもらう際に腹部が広がるような方法だと逆効果になってしまうので、そうならない方法を探して提供するということなのです。

ですので、「病名」「診断」が必要なら産婦人科や外科を受診していただくことになります。

当院で行っているのは、当院の施術の適応か、禁忌でないか、安全性に問題を生じないか、そして当院での施術の適応内であれば、最大効果が引き出せるやり方はどうすれば良いか、これらを判断するためために鑑別を行っています。そのための聞き取り(問診)、検査を行っているのです。

鍼灸師は脈や舌を診て、東洋医学の基準に照らし合わせ、気・血・水の流れの良い悪いを判断し、それに基づいて施術を行います(伝統的施術者の場合)。これは現代西洋医学とは違います。

同じようにカイロプラクティックはカイロプラクティックなりの判断基準があり、それに基づいて施術をします。当然、安全性や効果の向上のため現代医学的な知識とも照らし合わせて施術しますが、カイロプラクティックの独自性があります。

当院の施術を受けようと考えられている方は、このような当院の考え方をご納得の上、ご利用いただけることをお願いしています。

 

まとめ

ここら辺の定義を明確にして日々の業務に取り組んでいないと、他から誤解を受けたり、いつの間にかあやふやになり法令違反を行っていたなどとなり兼ねません。

同様のテーマは過去にも何度か記事にしていますが、今回また改めて記事にさせていただきました。

次回は、最初に述べたように血液検査による栄養指導を施術所で行う件についてです。

 

 

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