リスクとベネフィット

今までのカイロプラクティックに関する安全性/危険性というテーマで続けてきたシリーズ記事の11弾になります。カイロプラクティックの首の矯正の危険性は、今までの記事でお伝えしてきた通り、世間一般的に考えられていよりも低いということが分かってきました。

そして何故、首の矯正をおこなうのかというと、不調改善に効果があると思われるので行います。

ですが、だれかれ構わず首の矯正をやればい良いというものではありません。今回は首の矯正における術者の考え方のお話です。

 

 

 

カイロプラクティックの施術をする時、常に我々が忘れてはいけない事は、リスクとベネフィットに関することです。

リスクとは危険性のこと。

ベネフィットとは有益性のこと。

物事には相反する2面性があります。

例えば「薬」。

ベネフィットとは薬の効用の事であり、リスクは副作用の事です。

私たちがかかわっている、トレーニングやカイロプラクティックの業界内でのトピックスでも、いくつも当てはまる物があります。

例えば、こんな一例。

膝の障害から復帰したばかりの選手に対して、プライオメトリクス・トレーニング(ジャンプ系のトレーニング)をさせること。

プライオメトリクス・トレーニングは瞬発系のトレーニングとしては効果的ですが(ベネフィット)、膝に対する負担も強くかかります(リスク)。膝の障害からの復帰で間もない選手にとっては、そのことを行うことで受け取る利益より、再び膝を悪くするリスクの方が高いといえます。

このように、常にリスクとそこから得られる利益を顧みて、本当にその事を行うことによる利益が、リスクを冒してまでやる必要があるのかを考えて行動していく必要があります。

当然この場合、リスクはできるだけ低く、ベネフィットはできるだけ高い事を選択することが肝要です。

そして、カイロプラクティックの施術をする場合、この考え方が非常に重要です。今その手技を、そのクライアント様に施すことが本当に必要なのか、リスクの可能性と、ベネフィットとの比率を考える必要があるということです。

カイロプラクティックの安全性/危険性のシリーズで取り上げてきた、頸部のスラスト矯正手技(ポキッと鳴る矯正)に関わるリスクのことを述べてみましょう。そのこと自体が低リスクであるということを、今までで論証してきました。その上でベネフィットとの比率を考えてみて、その手技が本当に必要なのかを考慮すれば、さらにさらにリスクを低く抑えられると考えられます。

一方、施術者サイドだけではなく、ご利用されるクライアント様サイドにも同じようにリスクとベネフィットを考えていただけなければいけない事例があります。例えば、何でもかんでもマッサージを求めてくる人。揉む事が症状の改善に貢献しているのか、疑問の場合があります。それより単に「揉み癖」というリスクを作っているだけのような場合も。

リスクとベネフィットに関することは、常に施術者と受け手側にも意識している必要があり、カイロプラクティックに関して言えば、施術者側にその両方の事柄に対する情報をクライアント様にお伝えしていかなければいけない責務があると考えます。ゆめゆめ、その事を忘れてはいけないな~、とカイロプラクティックの安全性/危険性のシリーズ記事を作成するようになってから、ますます強く思うようになりました。

今回は、我々が施術に当たる際に考慮しなければいけない点として、リスクとベネフィットという事項をご紹介してみました。たまにこういったフィロソフィー的なものを作成して、自分の考えをクリアにしておかないと、自分の施術の芯がブレてくる気がするので、皆様には退屈、もしくは必要ない物でしょうが、たまにお付き合いください。

では、今回はこの辺で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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