慢性的な足首の不安定感や痛みについて
私はアグレッシブ・インラインスケートというものを趣味として行っています。
こんな感じ↓
ご覧の通り足首を捻じる動作が多いスポーツです。
従って、足首捻挫が起こることが多く、私自身もご多分に漏れず慢性足関節不安定症になっています。
慢性足関節不安定症(chronic ankle instability /CAI)とは、足首の捻挫(内反捻挫が多い)を繰り返した結果、足首に緩さや脱力感などの不安定感が出たり、痛みなどが慢性的に出る病気です。
今回は、この慢性足関節不安定症について解説していきます。
慢性足関節不安定症の概略のまとめ
一般に足首捻挫は、スポーツ現場では頻繁に起こり、また現場復帰も比較的早期に出来るため、外傷としては軽く見られがです。そのため、足首捻挫をキチンと治さないまま現場に復帰することが多くあります。しかしそれは以下の様な点で、復帰直後から将来にかけて様々なデメリットを生じます。
捻挫を起こすと予想以上に後遺症が残る
例えば内反捻挫(足の裏が内側に向く捻挫の仕方)の場合、腓骨筋の筋力と筋量が減少し、足部の安定性が減り、足の位置感覚が劣ってくることが分かっています。
そしてこの影響は1.5~3ヶ月くらいは改善しないことが研究で示されています。この状態は残したままスポーツ現場に復帰すると、再び捻挫を起こすリスクが高まり、スポーツパフォーマンス自体も低下します。
繰り返す捻挫は早期の足首関節の変形を促す
急性の足首捻挫から40~50%の人は、CAIに移行すると推測されています。
CAIの足首では、早期での足関節変形(OA)に移行しやすいと言われ、初発の捻挫より40年くらいで変形に至るとされています。これは、捻挫の重症度による早まることも知られています。つまり、初めて捻挫をしたのが10歳だとすると、50歳くらいには足首の変形性関節症を起こす可能性が高まるという事です。
流れとしては、捻挫を繰り返す→CAI→足関節OAとなります。
慢性足関節不安定症(CAI)に移行させないために
CAIに移行してしまうと、捻挫の再発リスクがかなり高くなります。ですので、CAIに移行する前にその都度、捻挫をキチンと治し、捻挫をしやすいような不正な運動パターンが身についているなら、それを改善する必要があります。
足首の関節の機能を評価してみる
スポーツに関わる足首の機能の評価として、簡便なのが次に紹介するテストです。左右の足を行い比較します。
①Star Excursion Balance Test(SEBT)
検査したい方の足で片足立ちになります。
立っている足を中心にして、前、後ろ、右、左、右前、左前、右後ろ、左後ろ、の8方向のラインを想定して、そのライン上で、持ち上げている足がどこまで届くかを調べます。
足首関節が不安定な場合、多くが持ち上げた足を反対の方向(右足の場合、左後ろ、左など)に持ってくるとバランスを崩しやすくなります。
厳密には足が届いた距離を計測しますが、ラインの代わりに空き缶などの対象物を床に置き、それに足先でタッチするよにさせて、グラつき具合を見るだけでも不安定なのが分かります。
②ホッピング
片脚の連続ジャンプで、左右、前後、その場で、等を試し、足首の脱力感、抜ける感じ、痛みなどが出ないか確認。
③片脚スクワット
片脚で立ち、スクワットのようにしゃがみます。クウォーター・スクワットぐらいで、深く沈み込む必要はありません。足首不安定の場合、足先が外を向き、膝が内側を向くようなパターンや、上体が左右に傾く兆候が出ます。
捻挫後、足首の不安定感がみられたら
上記のようなテストで陽性反応があるようでしたら、改善することをお勧めします。
先にも述べたように、足首の捻挫はスポーツ現場では頻繁に起こり、また比較的復帰も早いため軽視されがちですが、機能的な障害は残りやすいものです。そして、慢性的な不安定症となると、いわゆる捻挫グセというように捻挫をしやすくなり、またスポーツパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。
捻挫をした場合は、正しい処置と回復ケア、トレーニングを行い、機能障害を残さないようにし、CAIに移行させないよう努力しないといけません。CAIに移行してしまった場合は捻挫の再発リスクが高まるので、出来るだけ残存機能を生かし、リスクの軽減を図る必要があります。
捻挫で靭帯の完全断裂や、CAIで程度が酷いものなどは手術適応の場合もあります。その場合は、整形外科での受診が必要です。
それ以外では、自身でケアをしていく必要がでてきますが、なかなか専門知識がないと何をやっていいのか分からないものです。そのような時は、トレーナーやカイロプラクティクの様なスポーツに詳しい施術所のもとを訪ねられるとよろしいかと思います
まとめ
私もこの業界に入る前にCAIになってしまったので、捻挫した当時にちゃんとした知識があったらな~と後悔しています。皆様もそうならないように、今回の情報が何かのお役に立てば幸いです。
では、今回はこの辺んで。
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