難治性疾患の人の傾向

 

前回の難治性の肛門痛のクライアント様は回復傾向にありますが、そこでフト思ったことがあります。それは治る人と治らない人の違いです。今回はそのことについて解説していきたいと思います。

今回の内容は、人によっては不快に思うかも知れません。お客さんに一杯来てほしい接骨・整骨、鍼灸・マッサージ、カイロ・整体などの治療院・施術院は、まずこの様な事は言わないでしょう。ですが、私はあえて「本当のこと」を言わせていただきます。

 

 

治る人治らない人イメージ1

作者;Welding

 

1、治る人と治らない人の違い

ここでの話は、一般的な施術院・治療院で施術の対象となる症状を持っている人についてです。癌や心臓疾患などなど代替医療が禁忌となる場合以外の話です。治らない人は次の2つの傾向があります。

①しっかり腰を据えて、治療や症状と向き合っていない。

②目標がブレブレで、定まっていない。

前回の症例の方ように回復していく人は、ちゃんと通院されています。治らない人は、2回くらい来院したと思ったら、すぐ止めちゃう人。難治性の症状をお持ちの人は「何時までも治らない」から難治性というのです。つまり発症してから時間が経過していると言う事です。慢性化しているということですね。そういう場合は、やはり変化を起こすまでに時間がかかる。

 

2、しっかり腰を据えて、治療や症状と向き合っていない人

以前、2回ほど来られた慢性のめまいの20代女性のクライアント様。脳神経外科やめまい外来や耳鼻咽喉科など方々の医療機関や整体、接骨院などを受診されたが一向に治らず、それが半年間も続き仕事も休職中で困っている、と悲壮感をトウトウと訴えていらっしゃいました。

リハビリ外来でリハを受けるとその時は症状軽減するという事なので、当院でも施術とめまいの為のエクササイズを行った後は、めまいが消失していました。慢性疾患の場合は、定期的に来院していただき経過観察をしていかないと、成果でずらいということを説明させていただき、了解の上、次回ご予約承りました。しかし、予約当日に用事ができたと言う事でキャンセル。その後、音沙汰なかったが、1.5ヶ月後にいきなり電話が来て、今日できますか?との問い合わせ。丁度その日はいっぱいだったので、その旨を伝えると、また連絡しますといい、その後は一切連絡ありません。

難治性疾患を患っているとおっしゃるクライアント様は、実はこの様な行動パターンをとっている人が多いです。

Aという医者に2回くらい行って、そしたら今度はBという医者に行き、そこも1~2回いったら、今度はCという治療院に行き、そこでも2、3度通ったら飽きて次…と次々と変えてしまう。医療機関では検査で何も出ないとやること無いので次を探すというのもありだが、施術院・治療院ではある程度腰をすえて、施術側と協力し合って取り組まないといけない事が多いのです。

どこでも良いけど、どこか1ヶ所に絞ってある程度やってみては、と思ってしまいます。美容院や飲食店気分ですね。気まぐれで来院していても効果は薄いのです。

 

3、目標がブレて定まっていない人

例えば、尿漏れの訴えで当初いらっしゃっていた方。尿もれは骨盤底筋群の機能強化が必須なので、そのホームエクササイズをしていたのですが、毎回「運動は進んでますか?」と聞くと、「忘れてた」とのお答え。いゃいゃ、やって下さいよ、と思っていたら、そのうち不眠症の方が気になると言い、尿漏れそっち除けになってしまいました。

同じく、腰が痛い、首が痛いなど目的の部位と違う部位を言い出す人は多い。毎回、当初の主目的の部位とは違う部分の問題を訴え、そちらに意識のフォーカスがいってしまい、当初の主目的の部分は後回しになってしまっている。こういう人の場合、追っかけ治療の部分で時間がとられてしまい、本来の目的部位の改善が一向に進まない事が多いのです。

一人に対する時間は限られています。どこかに比重をかければ、どこかが疎かになります。

こっちは少しでも改善したいと思い、短期・長期に施術計画を立て、日常のケアの指導やエクササイズなども提案しますが、何かこちらの意気が空回りしてるだけの状態になります。

 

治る人治らない人イメージ2

 

 

4、当院の考え方

施術者の熱意と、受けてのやる気の温度差が結構ある。相手がその位の思い入れなら、それに合わせてこちらもトーンダウンしていけば良いじゃん、って言う人もいます。相手に自分の都合を押し付けるなと。でもそれは、単にクライアント様が努力することから逃げさせているだけで、結果的に相手のためにはなりませんん。

少なくとも当院の目指すところではありません。ただ単に相手の言う事だけをやっている施術院なら、他にいくらでもあります。

こちらで相手の限界を作ってしまってはダメです。その人の可能性をつぶしてしまう事になります。

運動嫌いの人でも当院で来るたびに「この運動やってますか~?」と聞いていると、最初のうちは「あ、忘れてた」とか「時間ない」とか言っていた人でも、何回も聞いてるうちに「しつこく言うから、ちょっとやってみたよ」と言ってくれる人がでてきます。

まぁ、最初からやってくれないだろな~というのは折込み済みです。とにかく、ご自身で症状改善に取り組む機運を高めてもらいたい、という思いでアドバイスさせていただいているのです。

先日、脊柱外科の医師とトレーナーによる腰痛メディカル・トレーニングのセミナーに参加させていただきました。そこでのお話で「運動療法で治せる腰痛で、医師サイドとしては運動で治したいと思っていても、説得しても一向に運動をしたがらない人はいる。そういう人は最終的には手術になる。われわれ医者の最終目標は患者の痛みをなくす事なので、結局、やってくれくれなければそこに行き着く。」というのがありました。

このお話で出てくる人は、手術しなくても済む可能性があったものを、自分でその可能性を潰してしてしまったという訳です。私たち施術者が、クライアント様に向き合う際に、少なくてもこのようにクライアント様の可能性を摘んでしまうようなことをしてはイカンだろうと思うわけです。

 

治る人治らない人イメージ3

 

5、当院の経営スタンス

人生は短く、時間は限られています。自分にできることなんて、本当に限られています。その中で人様に少しでも施術で貢献しようと思うなら、施術の効果が発揮する人に対し自分の時間を費やしたいと考えています。

当院は、かなり本気で施術に取り組んでいます。適当にクライアント様を流していけば良いや、というやり方ではありません。経営的には回転率を上げていくやり方(どんどん流していく)の方が、よほど潤います。繁盛店というのは得てしてそのような方法をとっています。そのことは、就業先や研修先で経験済です。

しかし、それは自分の目指しているモノではありません。最初に自分自身が患者として通っていたカイロプラクティックの治療院が、私自身の原風景でもあり、理想像でもあるので、それを目指しています。

 

6、まとめ

あまり説教めいたことを書くと、「なんちゅー、上から目線なとこだ」とか、「ウザ」とか、「面倒くさそうなとこだな~」とかの印象を持たれて、店の経営的にはかなり不利になります。しかし、口当たりの好い言葉だけを並べたり、カッコウつけた気取った事を言ってみたりして、当院の考えと合わない人を無理やり呼び込んでも、お互いに納得いかない結果になるかも知れません。

どうせ貴重な時間を費やして当院にお越しいただくのなら、ちゃんと成果を出したいですし、そのためにはちゃんと成果が出る人にお越しいただきたいと願っています。そのために成果が出る人=治る人とは、ということでお話させていただきました。

 

 

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