良くも悪くも思い込み

【今回の記事はブログ統合のため、他ブログより転載しました(初出2017年3月)。】

今回のお話は、関連付けに関してです。

Aという事柄があり、Bという事柄があったとします。

本当は、AとBは何も関係がないのに、あたかもAが原因でBが起こったと考えてしまう事があります。

世の中には、この様な考え方がいっぱいありますが、当然、手技療法の世界にもいっぱいあります。

 

 

思い込みというもの

本当は関係ないことなのに、思い込みにより、あたかもそれが関係があるかのように捉えてしまう。

施術のなかでも、そのように考えるクライアント様は多い。特にネガティブな事柄に関して、人はそのように考え勝ちになります。

例えば次の様な例があります。

 

①首を動かすと手のしびれが出ていた人のケース。

施術で症状が治まってきので、さらに安定化を図ろうと首の深部筋のエクササイズを自宅で行っていただくことにしました。

すると今度は、喉が詰まる感じがしてきたので止めたとおっしゃいます。果たして、このエクササイズでその様なことが起こるのだろうか?と疑問におもいました。その様な事は今まで聴いたことがありません。カイロプラクティック業界でも偏った考え方する人々だと、何かしら身体の歪みがもたらされ、それが食道を支配している神経に影響を与えているのだ、などと考えるのでしょうが、自然に考えてこのケースでは、そういう要素はないように思われます。

結局、内科に診ていただいたところ、逆流性食道炎で、胃酸を抑える薬を処方してもらったら症状が消えたそうです。

つまり、直接的には首の運動と、喉の詰まりとは関係がない、ということです。しかし、ご本人は当初、エクササイズと喉の詰まりが起こったことに関連があるという結論をだしていたのです。

 

②骨盤を矯正後、痛みが出たという人のケース

出産後、現場復帰を目指すトレーナー。骨盤矯正後、お尻に痛みを感じた。周りからは骨盤の位置が変わったからその影響だろと言われたそうです。痛みが出るような内容の矯正は行っておらず、合点がいきません。

前回の施術後に、股関節周りがかたかったので、ストレッチの指導をさせていたのですが、ひょっとしてと思い、よくよく話を詳しく伺ってみると、こちらが想定していたい以上に、自分でかなり強くストレッチしていたそうでした。早い話、今まで動かしていなかったところを急にいっぱい引っ張ってしまったので、軽く組織が炎症を起こしたようです。そこで、ストレッチを一旦やらないようにしてもらったら、とたんに痛みは消えたそうです。

つまり、骨盤矯正は痛みと関係なく、ストレッチによる組織の損傷ということです。

 

施術者はバイアスに気を付けなければいけない

こういった類の思い込みは多くあります。

われわれ施術をする者は、クライアント様から訴えてくる事柄を、キチンと吟味し、本当のことを意味しているか判断しなければいけません。人はそれぞれ色眼鏡(バイアス)がかかった状態で物事を判断します。

施術者が最も施術で大事にすることは、問診です。つまり人の話を聞くこと。そこに施術する為のヒントが多くあります。ただし、ただ漠然と話を聞いているだけではダメです。それは先程、触れたように人の話にはバイアスがかかっているからです。その話の裏に隠されていることや、色々な関連することなどを想定し、聞いていかなければいけません。

 

利用者も気を付けよう

一方、ポジティブな面での関連づけもあります。

これは、施術者サイドがよく利用することで、例えば気功と称して手をかざせば何でも治る、みたいなことを謳っているところ。そこで、たまたまヘルニアや子宮筋腫が小さくなったら、それらの症状と気功が関連づけされる。

でもこれって、本当は証明できません。ただこの内容はビジネスとして利用できます。

人は自分にとって有利な情報を得ようとし、不利な情報には目を向けないようにしてしまう傾向があります。もしくは、自分に都合が良い情報と言い換えてもよいでしょう。未知なものに対して過大に期待を抱かせ、酷い場合は依存させようとします。

これは何も気功が悪いといっている訳ではなく、カイロ、整体、針灸、接骨・整骨、マッサージ、ホメオパシー、オステオパシー、レイキ等々数え上げたらきりがないほど多くある、手技療法全般的に言えることです。

 

今回の教訓

思い込みにとらわれると本当のことが見えずらくなります。AをしたらBが現れたとしても、果たして本当にそこに因果関係があるのか、多角的に考えてみることが必要になります。

短絡的に物事を考えがちですが、自分一人で思い込んでも、やはり考えに偏りがでやすくなります。疑問におもったら、専門家にまずは素直に相談してみることをおすすめします。

ただしこの時、素人に相談しても埒があきません。結局、そこでバイアスがかかるからです。そこだけはご注意!

 

まとめ

今回は人の思い込みというバイアスについて、少しお話ししました。これは、プラセボ(偽薬効果)とも被ってくる内容です。

人が治るという過程でプラセボを大きな要素を占めます。またの機会にプラセボとカイロプラクティックの関係についてもお話できればいいなと思います。

今回は、この辺で。

 

 

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