照明が暗めの飲食店で食事をすると不調を訴えるクライアント様

現在通われているクライアント様の中で、外食をすると不定期で違和感に襲われるという方がいます。よくよく話を伺っていると、照明が暗めの店内の時に引き起こされるそうです。違和感というのはゾワゾワとした、血の気の引くような感覚に襲われるらしい。その後、食欲が失せてしまい、せっかくの外食が台無しになってしまうのです。

このようなケースの場合、いろいろなアプローチが考えられますが、今回は光量との関係を考えていみたいと思います。

 

 

光の量によって影響がでるものに一部のホルモン(神経伝達物質でもある)があります。

それがノルアドレナリンとメラトニンとセロトニンです。

瞳孔は目に入る光の量を調節しています。暗いところに行くと多くの光を取り入れようと瞳孔が開きます。これは交感神経の働きであり、この交感神経を働かす神経伝達物質がノルアドレナリンです。つまり、この交感神経を活発化しようとして、神経間のノルアドレナリン濃度が上昇します。

一方、メラトニンの場合は、松果体というホルモン分泌器官から放出されます。

 

from Wikipedia( Illu_pituitary_pineal_glands_ja.JPG)

 

目の網膜に光が届くとその情報は視神経を伝わり、左右の眼球からそれぞれ来た視神経がクロスする部分(視交叉)の上部にある視交差上核というところに届きます。視交差上核はサーカディアン・リズム(概日リズム)を作り出しているところです。さらに、その側にある室傍核に伝わった情報は、脊髄へ下降し、交感神経線維を通じて、上頸神経節から再び脳内へ入り、松果体へ伝わります。

 

from wikipeda ( National Institute of General Medical Sciences – Circadian Rhythms Fact Sheet

 

このように目から入る光量によって影響を受けるホルモンがあるのです。

 

メラトニン

メラトニンは夜間に分泌量が増え、昼間は抑えられます。メラトニンには、血圧・体温・脈拍を下げ、睡眠導入状態を作る働きがあります。これが人間の一日の体内リズムを調整するのに役だっています。従って昼間に太陽光を浴びないような生活をしていると、それが原因で体内時計がくるい、睡眠障害の一因になると考えられています。

メラトニンはセロトニンを原料に作られます。メラトニン不調を考える場合、まずセロトニンに不調が無いかを考える必要があります。

 

セロトニン

セロトニンはアミノ酸の一種であるトリプトファンから作られます。セロトニンは体内では大部分が腸内で作られ、腸の活動や血管収縮で働きます。しかし、腸で作られたセロトニンは脳の血管で遮られ、脳内にはいることが出来ません。トリプトファンは脳内に入ることが出来るので、トリプトファンが含まれる食事をしっかりとることが重要です。

トリプトファンはアミノ酸なので、早い話がタンパク質です。摂取するためにはタンパク質が多い食事をすればいいということなります。肉や魚、大豆などが豊富に含まれています。逆に言うと、肉・魚を拒絶するベジタリアンは不足する可能性があります。

一方、過剰にタンパク質量が多い食事も問題です。血管から脳内へトリプトファンを運んでくれる輸送体(トランスポーター)は、他のアミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシンなど)と共通の使用なので、これらが血中に過剰にあると輸送体が使われてしまい、トリプトファンが適切な脳内への取り込みされるのを妨げられてしまうのです。

脳内のセロトニンは多岐に渡る働きがあり、歩行・咀嚼・呼吸などのリズム運動にセロトニン神経が刺激され、体を活動的にし、覚醒状態を保つ働きがあります。また、精神を安定させる働きがあります。

メラトニンは睡眠に誘うホルモンであり、セロトニンは目を覚まさせるホルモンです。網膜へ入った光の情報は、脳の縫線核というところに直接伝達されます。この縫線核でセロトニンは作られます。

 

ノルアドレナリン

ドーパミンより作られます。ストレスを受けると脳の青斑核というところが活性化し、ノルアドレナリン作動性の神経が活性されます。交感神経を興奮させ、体を緊張状態にします。この情報は扁桃体に伝わり、不安・恐怖などの感情を引き起こすとされます。

脳内以外の神経(末梢神経)では、交感神経の神経伝達物質としてノルアドレナリンが使われます(詳しく言うと節後線維の伝達で)。

 

メラトニンとノルアドレナリンの関係

体内で栄養が色々と変換されていく過程では、ビタミン・ミネラル・酵素・ホルモンなど色々な物質が補助として働きます。

セロトニンからメラトニンが合成される過程でもそれが必要で、その働きを活性してくれるものにノルアドレナリンがあります。ノルアドレナリンが上手に働かないと、セロトニンからメラトニンへの合成がスムーズに行かないことになります。

 

ホルモンバランスの悪さが疑われたら

さて、これらのホルモンや神経伝達物質の働きが悪いように感じられたらどうすれば良いのでしょうか?

これらの物質はみな、栄養素が原料になっています。そこで、消化・吸収や代謝機能が正しく働いているかを考えるとよいでしょう。

先に述べたタンパク質の例で言うと、タンパク質は実はとても分解するのに時間のかかる栄養素で、肉などは小腸で吸収されるまで8時間くらいかかるそうです。

消化器系が弱い人はいくら良質な栄養を摂っても、それを体に上手く取り込めない可能性があります。その様な場合は、サプリメントなど最初か吸収されやすい状態に分解されたものを摂った方が消化器に負担がかかりません。

また、糖代謝や脂質代謝が上手くいっていない人も、ホルモンや神経伝達物質の合成に影響が出る可能性があります。

これらのことをまずは見直してみるとよいでしょう。

 

まとめ

今回の題材で挙げた症例では、原因が色々考えられます。必ずしも目から入る光量による影響では無いかも知れません。しかし、カイロプラクティックにおける神経の見方の一つとして、可能性があるものを提言してみました。人の体を見るのには色々な切り口があるということです。

今回はこの辺で失礼します。

 

 

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