今日は、神奈川県大和市の超整体【ダフィーカイロプラクティック】の坂木です。

今まで、過去に自律神経系のお話を数回してきました。下に挙げてみます。

自律神経と脈拍、血圧について

自律神経失調の原因について

自律神経失調を診てもらう場合は何科か?その検査とは?

この中で、一般的な自律神経系の検査のご紹介をしてきましたが、ではダフィーカイロプラクティックとしてはどのような検査をしているのかと言う事を、今回は少し具体的なご紹介をしていこうと思います。

 

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1、自律神経の反射と心拍の変動

当院では自律神経系の状態を把握する一つの手立てとして、心拍の変動を多用します。神経には反射というメカニズムがあり、何か刺激が入ると、それに呼応して決まった反応を示す、という性質があります。

当然、循環器系にも反射があり、心拍や血圧が上がれば下げようとし、逆に下がれば上げようとして、一定に保つように絶えず調節しています。また運動中のように、状況に応じて、必要な心拍や血圧に変化させ、対応していきます。その他、心理的動揺・緊張・不安などにも影響されます。

 

2、 起立試験

もっとも、循環器系における自律神経機能の状態を把握するのに使われる指標です。立ちくらみなどの時に行われる試験ですが、自律神経の調子が悪く血圧・脈拍調整が上手くいっていないと異常パターンが見られます。貧血でも同様の反応が見られますが、その他、糖尿病などによる自律神経の機能異常でも反応が出ます。

実際、細かくやろうと思うと10分以上かかり、1分おき、もしくは連続的に血圧・脈拍を計測しますが、当院ではそこまで細かく実施することは無理なので、3分ほどの計測で終了します。目的は、その時々の状態を計ると言う事も大事ですが、どちらかと言うと定期的に観測する事で、大まかな回復度合いの傾向を測るために行います。

行うことは、寝ている時と立ち上がった時の血圧と脈拍の変化を見ることです。

 

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3、早期脈拍変動

立ち上がった瞬間の脈拍の変動を見ます。この瞬間は、体の感覚や、脳の大脳皮質からの立ち上がろうとする意思により、自律神経の循環器調節系が働き、交感神経と副交感神経の特有のパターンが見られます。

3-1、最大脈拍

早期脈拍解説

ここでは表示していませんが、立ち上がった瞬間、血圧は下がります。そのため、瞬間的に血圧を戻そうと自律神経が働き、心拍を上げます。理想的には最大の心拍上昇までは20~30秒くらいで収まります。それが図の最大脈拍で示した地点です。このサンプルは60代女性の例ですが、それよりやや時間がかかっています。

脈拍の増加量もこの年代ですと、13~20くらいとされていますので、この場合、70bpm→98bpmまで増加しているのでやや高めとなっています。

 

3-2、最大脈拍・最小脈拍比

本来ですと、最大値から上げすぎた血圧の反動で、副交感神経が働き一旦、最小脈拍まで落ちます。理想的にはこの年代では、最大脈拍と最小脈拍の比率が1.2~1.02が理想となっていますので、このサンプル例では、最大脈拍が98bpmで、最小脈拍が89bpmなので、比率が1.1で問題ないことに成っています。

また理想的には、最小脈拍の地点から再び若干の脈拍の増加が見られるのが普通です。そこから徐々に時間をかけて安静時脈拍に落ち着いていきます。

 

3-3、自律神経の年齢差

これらの指標を元に自律神経の調子を見ていきます(その他にも多々ありますが)。その際、自律神経は他の体の組織と同じで、やはり年齢と共に反応スピードや、反応度合いも鈍くなっていきます。計ってみたけど、あまり変化が見られないという場合でも、実は年相応でそんなに心配するほどでもない、ということもあります。一つの目安という事で、この他にもテストを組み合わせ判断していきます。

 

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4、症例提示

ここでご紹介するのは、これで診断行為を行うものではありません。当院で行っているものは、神経機能の調子の一側面を見ることにより、体調の良い悪いを判断する一つの材料としています。

 

4-1、正常パターン

①Tさん 40代男性

Tさん 術前

 

安静時66bpm、最大脈拍83bpm、最小脈拍77bpmとなっていて、最大・最小比率の年齢的な平均値が1.29~1.09となっているので、この場合、1.08でやや副交感神経機能が弱めになっていますが、パターン的にはまずまず理想的です。

この方は、自律神経失調とパニック障害を訴えてのご来店ですが、当院で計測した時点では、数値的な反映はなされていませんでした。発作が起っている時には違った数値が出ているかも知れませんが、全般的に言って、起立試験は自律神経失調の症状の中でも、めまい・ふらつき・疲れやすさなどの症状がある方との相関が強いようです。

 

②Sさん 40代女性

Sさん 術前

安静時脈拍64bpm、最大脈拍81bpm、最小脈拍77bpm、最大・最小比1.05でやや副交感神経機能の働きがこれでは弱く出ていますが、体調的には不備は無く、あまり理想的なサンプルが手持ちに無かったので、こちらを正常例で提示しておきます。脈拍の上昇幅も17で、この年代の最も標準的な上がり幅となっています。

 

4-2、副交感優位(不安定)パターン

 

①Wさん 50代男性

Wさん-16年2月27日

1年前より不眠症と慢性的なフワフワめまい、足の冷え感が続いているという訴えで来院されたクライアント様です。病院でも自律神経失調の治療をうけていました。

脈拍の変動を計測してもかなり不安定な感じが現れています。立ち上がり時(赤矢印)から急速に最大脈拍(青矢印)までは上昇しますが、その後の最小脈拍(緑矢印)が安静時脈拍より低く下降してしまいます。この様なパターンは副交感神経の働きか過剰に出ている状態を意味しています。また、その直後にリバウンドで再び急上昇を起こしています。ここでは、この現象を捉え、副交感神経優位パターンに分類しておきました。

ここでは、安静時血圧が収縮期で133mmHg、拡張期で97mmHg、脈拍80bpm、立ち上がり後3分経過時で収縮期血圧が142mmHg、拡張期が115mmHg、脈拍94bpmを示していました。

この方は、もともと血圧が高く、その薬を飲んでいるため、その影響もあるかもしれませんが、フワフワめまいは薬を服用し始める前よりあったとの事なので、フワフワめまいは自律神経の働きが不良のため、血流調整が安定せず引き起こされている可能性が高い事が伺えます。

 

②Nさん 20代 女性

Nさん 16年2月6日

胸の締め付け感を訴えて、循環器科や消化器科の医師へ受診されたが何も異常が見つからなかったというクライアント様のパターンです。理想的には、立ち上がり時(赤矢印)から最大脈拍(青矢印)に達するまでには2段階で上昇しますが、このグラフからはあまりそれが読み取れません。

血圧は安静時で収縮期が96mmHg、拡張期が60mmHgで脈拍60bpm、起立から3分経過時での血圧が収縮期99mmHg、拡張期70mmHg、脈拍74bpmでノーマルです。

 

4-3、交感神経優位パターン

 

①Kさん 40代男性

Kさん 術前 16年3月

全身倦怠感を訴えての来院のクライアント様です。この方は、1日の平均睡眠時間が3時間と、睡眠不足の状態が1ヶ月くらい続いていた期間においでになられました。

安静時脈拍が69bpm、最大脈拍が91bpm、最小脈拍が89bpm、脈拍上昇幅が22と高めになっています。最大脈拍後も下降幅がほとんど見られず、交感神経の働きが過剰になっている傾向がみられます。寝不足のための交感神経の興奮が維持され、全身倦怠感の元になっているように推測されます。

安静時血圧は収縮期が124mmHg、拡張期86mmHgだったのが、起立後3分経過時に収縮期が108mmHg、拡張期が83mmHgで脈拍は86bpmとなっており、ご本人は立ちくらみの自覚はありませんが、3分後血圧で収縮期が安静時より20以上低下の場合は、起立性低血圧の範疇に入ります。ただし、この方は普段もめまい・立ちくらみの自覚はありません。また、立ち上がり後から数分経過した時点でも30以上の脈拍の増加が続いているようなら病的なもので、体位性頻脈という病名がつけられます。

今回は、一時的な機能不調としてのご紹介ですが、病的な自律神経の交感神経・副交感神経の機能異常の場合も最大脈拍と最小脈拍の違いが観られないことがあります。代表的なものとして、糖尿病性自律神経障害、レビー小体病(認知症の一種)、シャイ・ドレーガー症候群(脊髄と小脳が変化する病気)などがあります。

 

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5、当院の検査の活用法

例えば、副交感優位(不安定)パターンの①Wさんの場合、この時の術後の起立試験では次のように変化しました。

Wさん 術後 16年2月27日

安静時血圧が収縮期で133mmHg、拡張期が93mmHg、脈拍が68bpmとなり、立ち上がり後の血圧では収縮期が142mmHg、拡張期が111mmHg、脈拍が91bpmとなりました。術前のテストと比べ定点での計測数値では、ほとんど差がありません。

訴えられていたフワフワめまい感や首・肩の痛み、足の冷え感は施術を受けるとしばらく消失するとの事で、この回も同様に体調の自覚的な改善は望めました。術前に記録していた、最大脈拍後の安静時脈拍を下回るような大きな落ち込みは、なくなりましたので、この様な脈拍の不安定な状態が脳に行く血流の不安定性を招き、それがフワフワめまいに繋がっていた事は想像できます。

安静時の脈拍が術前より下がっている事から、交感神経の興奮が減っているとも考えれれますが、交感神経と副交感神経の両方が機能低下を起こしても変動が少なくなってきているとも考えられます。この回では、交感神経の興奮を抑える施術をメインに行った訳ですが、逆に副交感神経が安定する為の施術をした方が効果的な可能性もあります。

また、自律神経の場合、一回、興奮を強めその反動で自分自身の調節機能が賦活され、機能が安定化するというやり方や、反応があります。いわゆる眩暈(好転反応)というもです。そのため、経過をみて何度か施術を受けることによって起る変化を見ることで正しい判断に近づきます。この様な判断の指標の一つとしてこの検査は行います。

 

6、まとめ

脈拍変動は、全体での神経反応の結果として数値が記録されます。神経は左右から支配しているので、さらに詳しく見るためには、右からくる神経と左からくる神経の機能の差を調べる必要も出てきます。

当院では、実際の症状・体調と検査数値との整合性をみながら、交感神経・副交感神経の状態を把握し、施術に役立たせています。

今回は全体の神経反応の結果としての脈拍の変動のご紹介をさせていただきました。また、機会がありましたら、今度はいかにして左右差を見ていくかもご紹介していきたいと思います。

では、今回はこの辺で。