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関節への矯正について>

背骨は体を支える役目のほか、幾つもに分かれて、それを連結することによって可動性を持ち、体を動かす起点になっています。しかし、動かせる部分は組織が柔らかいため負担を受けやすい部分でもあります。

椎骨間は脊髄神経が枝分かれして手や足や内臓などに神経をおくりだしていますので、ここの障害がさまざまな影響を出すことがあります。脊柱のしなり具合や椎骨一つずつの動きを見ることにより、関節の障害部位を特定し、矯正を加えていきます。

 

関節への矯正について解説

<痛み・痺れの施術の場合は、先ず骨格的な不具合が無いかを診ていきます。ここの障害を取り除くことにより、より自由な体の使い方や、神経の異常興奮を鎮める土台作りをします。その為、姿勢観察より体の動き方や、椎骨一つずつの動きを重視して矯正していきます。

 

例えば、首を前に曲げた場合、正常な骨の動きならば、無理なく関節が動き曲がることができます(図1)。

しかし、部分的に動き過ぎの場合(捻挫や椎間板症など)は靭帯・関節にストレスがかかり痛みが出たり、その部分を支えようと筋肉の緊張を作ったりします(図2)

逆に関節の動きが硬い場合(硬縮や癒着など)、背骨のバネの機能が弱まり頭を支えるため、やはり筋肉の緊張を生みます。また、動かそうとする時、筋肉に無駄な力を使わすため疲れやすくなります。さらに、動きの悪い部分を補おうと他の部分が余計に動いてあげようとし、ゆるい部分を作ってしまいます(図3)。

悪い部分が一つあると、他に補おうと周辺も歪んできます。そうすると、筋肉の使い方も片方だけ動きが悪かったりし、またそれを補おうをし、歪みを引き起こす…と悪循環になります。その悪循環の輪を断ち切って、体が回復に向かうよう手助けをしていきます。

 

矯正方法について

当院の矯正方法は、カイロプラクティック本来の基本的な技術に基づいて行われます。

そもそもカイロプラクティックとは、脊柱の関節の不具合がある箇所を見つけ、それがどのような方向に動きが悪くなっているか(制限されているか)を見極めます。矯正は、その動きが悪い方向から、本来その関節が動けるまでの可動域のところまで骨を動かしてやるように矯正します。

近年、道具を使って矯正を行う施術者が増えましたが、道具に頼ると、本来見極めなければいけない細かい骨の不具合の方向を探し出す検査などがおろそかになり、検査技術も衰えてきます。矯正は、検査で行った硬くなった関節を見つけ出す方法の延長線上にあるものなので、検査技術が疎かになると、矯正自体もあいまいになってしまう可能性があります。それでは、カイロプラクティックという矯正法の存在意義が薄れてしまうでしょう。

そのため、当院では関節へのアプローチにこだわった矯正を行っています。 次に、背骨を動かすための技術ですが、2種類あります。

 

「ポキッ」を伴わない方法

骨と骨同士は関節というもので連結しています。 関節の中では、骨が動くとき、土台となる骨に対し、動く側の骨は一定のルールで動いています。それは大別して、2種類あります。

①土台の骨が凹状の関節面で、動く方の骨の関節面が凸状のとき(図E) (図F)のように土台の関節面に沿って、動く方の関節面の運動軸が転がりながら、骨が動く方向と逆の方向にズレていきます。

②土台の骨が凸状の関節面で、動く方の骨の関節面が凹状のとき(図G)

(図H)のように土台の関節面に沿って、動く方の関節面の運動軸が転がりながら、骨が動く方向にズレていきます。 関節包内運動凹面の法則

これらの関節内の動きが妨げられると、身体がスムーズに動かず、負担がかかってきて、身体を悪くする要因となるといわれています。 したがって、矯正はこの固まって動きの悪い箇所を押し込んだり、震わせたりして、関節の可動域を回復させるようにします。

 

「ポキッ」を伴う方法

関節の構造は、簡単に言うと、骨と骨を繋いで覆っている関節包と、関節面の軟骨同士の滑りが良くなる(そして、軟骨の栄養にもなる)よう滑液という液でできています。関節の中は安定性を得るために、陰圧に保たれています。

動きが悪くなっている関節は、関節周辺組織が癒着や硬縮など固まっている可能性があり、そうすると周辺の血流も悪くなり、痛みの原因にもなります。このような状態では、関節内の隙間も狭くなっています(図A)。

関節の動きを急速につける方法は(図B)、急に動かされることによって、関節の中の圧力が変わり、滑液に溶け込んでいた、二酸化炭素などの成分が気化し、泡になります(d)。「ポキッ」という音はこの泡がはじける音といわれています。矯正の場合、音を鳴らすのが目的ではないので、音はならなくても良いのですが、関節の内圧が変わる場合音が鳴ることが多いです。

泡ができた分、関節内の体積が増え、また、関節内の圧力が緩むので、関節の可動域が広がり、動きやすくなります(図C)。

関節の周辺は、身体の位置を知らせる神経が多くあり、それにより動きをコントロールしているのですが、急速に関節の位置を変える矯正を行うと、この神経に一度に大量の情報が伝わることになります。身体の位置情報は、痛みを伝える神経の情報より優先して脳に伝えられるので、痛みを感じるのを抑えてくれる作用があります。 特に関節を動かすことは、外から手あてなどの刺激を与えるより、身体の深いところから神経への刺激を行えるので、より効果が高いと考えます。

痛みがあると、その周辺の自律神経は興奮し、その痛みに対処しようとすることに身体のエネルギーを使ってしまいます。そのため、組織を治そうとする働きにまわすエネルギーが減ってしまいます。痛みの感覚を減らしてあげることは、組織の回復を促すと考えられています。

これらのことから、当院では、ただ関節の動きを回復させる手技より、より組織の回復を促す効果が高いと考えられる、「ポキ」を伴う矯正を、矯正の方法を考えるとき、第一選択としています。

ただし、この矯正方法はクライアントさんの好き嫌いもはっきりしますので、ご要望のある方は遠慮なくお申し出ください。また、炎症の強い場合、年配の方、矯正が禁忌の症状の場合なども別法を用います。

 

筋肉へのアプローチについて

体は骨だけで支えられているのではなく、周囲から筋肉というロープで引っ張られているので立つことができます。筋肉と骨は密接に関連していますので筋肉に対してもアプローチしていきます。

筋肉を縮めてた方がよい場合、伸ばしたほうがよい場合、筋膜に対する処置、筋硬結に対する処置など筋の状態や状況のどにより手技を選択し、緩めていきます。

仕事などで体の同じ部位を使い続けていたり、同じ姿勢を強いられたりしていると筋肉が緊張してきて疲労します。初期のころですと一過性のものなので回復します。しかし、回復が追いつかなくなってくると筋肉の緊張が持続的に続くようになります。 筋線維は筋内膜という膜で包まれており、それが束になり筋周膜という膜で包まれています。それらを束ね筋上膜が包んでおり、それが一つの筋肉となっています。筋緊張が持続的に続くと、これらの筋上膜や筋周膜が部分的に厚くなって組織が変化してきます。

この段階になると触ると「こりっ」としたしこりが感じられます。組織が変化してきているので、背骨の動きをつけるだけでは回復に時間がかかります。そのため背骨の土台となっている骨盤の傾きをとり、背骨の両側を支えている脊柱起立筋をの長さを整えて、背骨にくっついている首・肩・腰周辺の筋肉が緩みやすい状況を作ってあげてから、ほぐしてあげた方が効率的です。

 

コラム;知ってましたか?痛みは身体から起こるだけではなく、脳からも起こるのです。

最近の研究では、痛みや免疫に対して心理面が大きく関っていることが非常にクローズアップされています。

近年、医療の世界でも「痛み」に対する認識が大きく変わろうとしています。

例えば、椎間板ヘルニアなどの腰痛においても「必ずしもMRIなど画像に写っているものが原因ではない、痛みの原因は実は他にある場合もある」と言う事が声高にいわれるようになってきました。

カイロプラクティック界では、1994年にアメリカの政府機関から出された急性腰痛治療に関するガイドラインが発表されて以来、このようなことは周知のこととされていました。また、2004年にはヨーロッパ14カ国の専門家により作成された急性・慢性腰痛治療及び予防に関するガイドラインで同様のことが記されています。
しかし、この事実は世間一般にはあまり浸透していませんでした。最近では、2007年にアメリカの内科学会と疼痛学会から発表された合同ガイドラインでも同じようなことが述べられています。

これはどういう事なのかと言えば、痛みを感じているところは患部そのものではなく、違う部分が痛みを発しているかも知れない(断定はできませんが)ということなのです。
痛みの情報は神経を通って脳に伝えられます。ですので、当然ながら痛みは脳で感じられます。脳での感じ方しだいで、痛みの強さも大きく感じたり、小さく感じたりします。

このように精神的の状態(ストレスがあるなど)で筋の緊張度や血管の収縮度が変わってくるので、それに伴い痛みに関する敏感度も違ってきますし、自律神経の乱れによっても体の中のシステムが崩れ、症状にかかわります。また、体のバランスや使い方の不具合により、局所的に体に負担がかかり、本当にその部分の筋や関節が痛んでいる場合もある事でしょう。

これはT.M.Sといい、.ニューヨーク医科大学のDr.サーノによって1980年代に提唱された症候群の概念です。

簡単に言うと、不安や怒りから潜在意識が背けさせる為、交感神経を緊張させ虚血状態を作り、痛みが発するということです。

<当院では、これにNBM(患者個人の物語に基ずく医療)を取り入れた長谷川淳史先生のTMSjapan methodの治療プログラムに共感し、取り入れております。

ポイントは、 ・正しい情報と、それに対する世界と日本の現状の違いに気付くことによる、間違った認識の打破。 ・心的要因からきている痛みは、性格を変えたり、生活を変える必要はなく、気付くことが大事です。 ・科学的要素を各個人に当てはめ、ヒーリング・アートとしての施術を目指します。

 

 

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