以前より、右の肋骨の下の部分での違和感に関するお問い合わせを頂きます。今回は、その件に関して有益な情報のご紹介をさせて頂こうと思います。

 

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1、先ずはご紹介したいサイト

このテーマでネットを見ていたら、とても分かりやすいサイトを見つけたので皆様にご紹介します。救急医療のドクターのブログです。

日々是よろずER診療「見事な予言的中」

この記事の中で、今回お伝えしたかった事が全部載ってました。

ここでは、腹部の痛みを訴える場合に考えるべきこととして

尿路結石・・・泌尿器科
子宮外妊娠・・・・産婦人科
肝周囲炎・・・・・・産婦人科
胆石・胆のう炎・・・・外科 and/or 消化器科
総胆管結石・・・・・・外科 and/or 消化器科
急性胃腸炎・・・・消化器科
急性膵炎・・・・・・消化器科
急性肝炎・・・・・・消化器科
急性胃粘膜病変・・・・消化器科
急性冠症侯群・・・・循環器科
胃潰瘍・十二指腸潰瘍・・・・消化器科
消化管穿孔・穿通・・・・・・・外科
アニサキス(寄生虫のこと)・・消化器科
胸膜肺炎・・・・・・・・・呼吸器科
糖尿病性ケトアシドーシス・・・代謝内科
機能性消化管異常・・・・・消化器科 and/or 心療内科
腎盂腎炎・・・・・・・・・・・・内科
急性虫垂炎(初期)・・・・・外科
肋骨骨折およびその他外傷・・・・整形外科 and/or 外科
うつ病・・・・・・・・・・・・・・精神科 and/or 心療内科

帯状疱疹・・・・・・・皮膚科

 

上記の可能性が考えられるとのことでした。

当院で遭遇した事例で考えられる原因としては、やはり、右肋骨下部の痛みと言う事であれば、

①右肋骨下部に近い臓器の問題
すい臓、胆のう、肝臓など

②筋肉の問題
肋間筋、横隔膜、外腹斜筋

③その他
肋間神経痛
大腸などの放散痛

これらの症例がありました。

右肋骨下部の痛み

 

2、それぞれの疾患の解説

2-1、胆石

右の肋骨の下部が痛むとなると真っ先に思い当たるのが「胆石」です。肝臓からできる胆汁や、膵臓からできる膵液はともに消化のための溶液です。その中の成分が結晶を作り、溶液の通り道を塞いでしまい症状を出します。

特に肝臓で作られた胆汁を一旦溜めておく「胆のう」は、右の肋骨下部に痛みを引き起こします。痛みの程度は、鋭い痛みから鈍い痛みまで様々です。また、放散痛といって周囲にも痛みを放ちます。背中側やミゾオチ、特徴的なのが右の肩にも痛みを出します。

溜まった胆汁などが感染症を起こすと急性炎になり、高熱が出て、肝臓の機能低下がおこります。ひどくなるとショック症状を起こし、命の危険にかかわります。

2-2、胆のう癌、胆道癌

初期に自覚症状はありません。胆道は胆汁の通り道のことです。胆のう癌や胆道癌は胆石を併発することが多いので、自覚症状は「胆石」と同じです。

胆石、慢性膵炎、肝障害などの消化器官系統の病気は、食生活との関連が指摘されています。日ごろから食習慣を正しくしていきたいものです。

2-3、胆道ジスキネジー

食後しばらくすると、右の肋骨下辺りが痛み出す病気です。胆石や炎症、癌などの異常が見当たらないと、この病気が疑われます。胆汁を十二指腸に排出する弁の調節機能が上手く働かず、胆汁が過剰に出たり、滞ったりする事が問題となります。

発症原因は不明ですが、自律神経やホルモンの問題といわれています。カイロプラクティックは機能障害の改善に役立ちますので、胆道ジスキネジーは適応となります。

2-4、肋骨骨折

肋骨の骨折は意外に起りやすいもので、転倒やぶつけたといった外傷のほかに、ひどい咳き込みによる疲労骨折や、満員電車での圧迫により引き起こされる事もあります。

特に当事者が思い当たるような原因もなく、気がついたら肋骨に何となく痛みを感じるので医者に行ってみたら、レントゲンで骨折が写っていたということもあります。

2-5、肋間筋、横隔膜、肋間神経痛

喘息や風邪でのひどい咳き込みのあとで、肋骨下部にもしくは肋骨の下半分に痛みが出た場合、骨に問題なければ呼吸に関連する筋肉に問題がでる事があります。

咳による強い収縮を繰り返す事により、筋肉の緊張や挫傷を生じるのです。体を捻ったり、深呼吸で痛みが出ます。

肋骨の間に肋間神経が走っています。背骨から出た神経が体の前に行く前枝と、体の後に行く後枝に分かれます。前枝が肋間神経となり、肋骨の間を通って胸骨のところまで達します。

この神経の通り道で、肋間筋が硬くなり、神経が締め付けられることにより肋間神経痛を起こすこともあります。

2-6、帯状疱疹

ヘルペス・ウイルスの一種である水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされます。いわゆる水疱瘡のウイルスですね。小児期に感染したものは死滅せず、そのまま神経の中に潜んでいます。高齢や疲労などで体の免疫力が低下するとそれが神経伝いに症状を出します。

よく見られるのが、肋間神経に発症するものです。始めはピリピリ、ヒリヒリとした痛みが続きますが、外見上は何も無いので何が原因か分かりません。しかし、1週間くらい経過すると水疱(水ぶくれ)がプツプツと帯状にできるので、そこで判明します。

このプツプツができたら急いで皮膚科に行ってください。帯状疱疹は体表近くの知覚神経に炎症を起こすので、1ヶ月くらい放置しておくと知覚神経が変性を起こし、帯状疱疹後神経痛というしつこく強い痛みに苦しめられる事になります。

帯状疱疹には、現在よく効くお薬がありますので、そちらを早期に服用すればそのような後遺症になることはありません。

 

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3、当院で実際の事例

ここでは、実際に当院で遭遇した事例についてご紹介していきたいと思います。

3-1、胆石摘出手術後の後遺症

70代女性のご紹介できていただいたクライアント様です。右腰上部から右の肋骨下部にかけての慢性痛の訴えでした。

この方の痛みに原因は明確で、手術後の後遺症でした。胆石摘出の手術で劇症膵炎になってしまい、その後すい臓機能が半分くらいになってしまったそうです。そのため、骨代謝が上手く働かなくなり、骨密度が極端に減ってしまって、うつ伏せで寝ると肋骨が折れる(過去にマッサージ屋さんで何回か折れたそうです)という状態になっていました。

痛みは、すい臓の慢性炎によるものようでした。基本的にカイロプラクティックの適応は、機能障害に対して有効で、組織が変化してしまったり、形が変わってしまったという、いわゆる器質的障害は適応にはなりません。

カイロプラクティック神経学の中には、痛みを抑える神経経路(疼痛抑制系)を活性化させるやり方もありますが、当時は私はその事を教わっておらず、その事を試す事はありませんでした。例え、当時その事を試みたとしても、多分、明らかに器質的障害が強いので、効果は無かったと思います。

したがって、残念ですがお力になることはできませんでした。

 

3-2、肋骨骨折

50代男性の急患さんでした。お酒に酔っ払った帰り道、転倒しぶつけた模様。ご本人は明確に覚えてないらしいですが、その後、右脇腹がいたくなったので、救急病院にて受診したそうでした。そこでは特に骨に異常は無い、と言われたそうでした。しかし、強い痛みが依然引かないので当院を探してこられたとの事でした。

医療機関でレントゲンを撮影しての診断で骨折を否定されていましたが、一応念のため介達痛(軸圧痛、圧迫痛)や音叉での振動痛も確認しましたが全て陰性。腫脹や圧痛点も不明瞭でした。

骨に問題ないとしたら肋間筋の挫傷かなとも思い、患部には触れずに筋の緊張を緩めるような手技をすると少し痛みが和らぐと言うので、そこを数回行い終了としました。

軽度の亀裂骨折や肋軟骨の剥離骨折はレントゲンにも写らないことがあります。どうもそちらも怪しいので、翌日痛みが変わらないようなら再度、医師にかかられるようお話させていただきました。

その後、ご家族の方が施術にこられた際にお話を伺ったところ、翌日も痛みが変わらなかったので病院に行ったら2箇所骨折していたようでした。

軽度の肋骨骨折は早期にはレントゲンには写らない事があり、2週間くらい経って、亀裂部にカルシウムが沈着してきてからレントゲンに写る様になり判明することがあります。早期の場合は、慎重に対応しないといけないと言う事を改めて実感させられる症例でした。

 

3-3、激しい咳き込み後の肋間痛

40~50代の女性で風邪のあとに肋骨が痛くなったので、医者に行ったら肋骨の骨折と言われたという方が、今まで数名いらっしゃいます。中にはレントゲン上では不明瞭で、?マークがついている人もいます。そのような方に圧痛以外の検査(介達痛、振動痛、深呼吸時の音など)をやっても陰性で、どうも骨より筋性の問題を引き起こしている可能性が高い人もいます。

そのような場合、痛みが減る体位があるので、その形を作ってもらい暫らくしていると、筋の緊張が減ってくるので痛みの軽減につながります(ポジショナル・リリース・テクニックや操体法など)。

 

3-4、慢性大腸炎からの放散痛

右の肋骨の下の部分の慢性の違和感でのご来院の記事をご覧ください。

3-5、腹斜筋の炎症

30代の男性で、早朝野球の後、脇腹が痛くなり来院されました。特に痛みが出る動きはスイング動作で、腹斜筋が無理に動かされた事による筋の損傷のようです。腹斜筋は肋骨に付着していて、その部分が痛みを出しているようでした。

最近見受けられるのが、コアトレのやり過ぎ。特にコアトレやって硬くなった状態でスイング動作を多回数行う競技(野球のバッターやテニス、ゴルフなど)で負荷がかかり痛めてしまいます。

腹部の筋も何層かに分かれていて、働く順番が決まっています。そのタイミングがズレていると、特定の筋に負荷がかかり損傷するのです。

通常、負荷がかかるのは右利きの人は、左脇腹の方がスイング時に引っ張り負荷がより強くかかり、左側を傷める事が多いのですが、今回の場合は右にでてました。

 

4、まとめ

今回は、よくお問い合わせを頂く右の肋骨の下部の痛みに関する症状を、当院で経験したものを絡めて、思い当たるもののご紹介をさせていただきました。

ご自身で気になる部分がる方に、参考になれば幸いです。気になる方は、まずは医療機関での診察を受けてもらうことをお勧めいたします。

今回はこの辺で。では。