日常的に動かさ無過ぎな人の張り感。

日常的に見られる訴えで、特にここが痛いというのが無く、全体が張る、全体が硬い、ということで来院される方が多くいます。極度の場合は、慢性疲労症候群などと呼ばれたりしますが、そこまで病的なものはご自身でも「これはおかしい」と思い、自主的に病院を受診されます。今回のケース紹介は、そこまでの訴えではなく、ごく一般的に見られる張り感の場合です。

ブログ背中が硬い

 

1、ケースA 慢性的な背中の張り

事務職で慢性的に背中の中央部が張っているという訴えの40代男性のクライアント様です。肩甲骨の可動域を見てもかなり制限を受けていて、背中の真ん中の筋肉が硬くなって盛り上がっています。

以前は、頚椎ヘルニアの後遺症でたまに腕に痺れが出ていたりしましたが、それは当院での施術を経て収まっています。

ご自身で背中が張ってきたなと思ったら、ストレッチ・ポールに自主的に乗る様にはしているとの事ですが、背中の硬さはそれだけでは対処できないようでした。

当初は、ヘルニアの後遺症で神経の通り道が狭くなったりして、背中にいく神経が干渉を受け、筋肉が緊張してしまうのかとも思われましたが、痺れは改善しても背中の硬縮は依然残るので、どうも背中自体の問題のようです。

生活状態をよくリサーチしてみると、通勤は車で、仕事中もほとんど座っている状態で、極端に体を動かす機会が少ないようでした。

そこで、特に動きが制限されている肩甲骨を動かすチューブ・トレーニングを自宅で行っていただくように指導させていただきました。ご本人もトレーニングチューブをすぐ購入してくださり、積極的に運動を実行していただけたようです。

運動を指導させていただいたその次いの来院時には、あれ以来かなり背中の張りが軽減されたとの経過報告を聞かせていただきました。

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2、ケースB 普段やらない動作での挫傷

50代自営業の女性のクライアント様。普段は特に運動をするということも無く、経理や電話応対をメインに仕事をしています。以前、よく行っていた趣味のスキューバダイビングも、今は忙しくてほとんどいけていないという事です。

一年ぶりにスキューバに行く事になり、旅行に行ってこられました。そして帰宅後、ふくらはぎが痛くなり歩くのが困難、ということでご来院。

ご本人的には特にスキューバ中に痛めたという感覚は無く、帰ってきてから痛くなったとの訴えでしたが、どうも軽い肉離れを起しているようです。筋の施術をすると痛みは軽減するようですが、痛みは残存するようで、固定して筋を保護してあげる方が良いようです。

結局、治り方も通常の筋挫傷と同じような治癒経過をたどりました。そのほかにも背中や肩の張りをよく訴えます。そこで、体の柔軟度の検査をするとやはり全体的に硬くなっています。

日常的な生活環境をお伺いすると、ほとんどが座位で過ごしており、極端に歩く機会が少ないということが分かりました。そして通勤も車での移動のみということでした。

普段、運動していない状態で、急にスキューバダイビングなどのいつもと違う動きをしたため筋肉を傷めてしまったようです。通常でしたら、筋肉痛ですむ内容ですが、あまりに体を使っていないと、思いもかけないような怪我をすることがあります。

 

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3、お二人に共通する事は

ずばり、「お体を動かす機会が少なすぎて、体が固まっています」。

筋肉線維は、アクチン・フィラメントとミオシン・フィラメントというタンパク質組織が櫛状に並んだものが互いに向き合っており、その櫛と櫛が互いに挟まり込んだ状態になり、全体的に筋肉繊維の長さが短くなります。この時、筋力が発揮できるのです。

アクチンとミオシンがかみ合っている一つのユニットを筋節とよびますが、筋肉繊維はこの筋節がいくつも積み重なってできています。

逆に、このかみ合ったアクチンとミオシンが離れる事が、筋繊維の全長が伸び、筋肉が緩む事になります。

つまり、筋肉が硬く固まった状態は、筋線維で言うと、筋節がかみ合ったまま元に戻らなくなった状態といえます。こうなると筋肉組織間の毛細血管が押しつぶされたようになり、血流が悪くなります。代謝が悪くなり、疲労物質が溜まりやすく、それがさらに筋線維の働きを鈍くさせます。このような悪循環が出来上がるのです。

 

4、対処法

このような場合は、ただ単に骨の柔軟性を矯正などでつけただけでは、対処として片手落ちです。

人間は「動物」です。動物とは文字通り「動く物」です。動いてあげないとダメです。

要は、使っていなかったところを使ってあげて、本来使える性能を出させてあげれば良いのです。ただし、筋肉だけでなく背骨・関節の柔軟性も硬くなっている場合、単に体を動かそうとしても、もともと土台が動かないので、上手く動かせず挫折してしまいます。そのため、関節の動かしやすさ(モビリティという)を向上させつつ、筋肉も動かしてあげるよう訓練すると良いのです。

筋肉は一旦、収縮させた方がその後、緩みやすくなります。筋肉を運動させて、ストレッチさせてというのを繰り返してあげると、運動機能の向上につながります。

当院では、施術の他に運動処方も重視しています。運動はやり過ぎても障害の元になりますが、やらなさ過ぎても問題を引き起こします。

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5、まとめ

今回は一般的によくみられる背中、肩における不活動性における張り感の症例をいくつかご紹介しました。この記事でお心当たりがありましたら、ご相談ください。お役に立てると思います。

では、今回はこの辺で。

 

 

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