目次

免疫の成り立ち

大昔、動物に消化管という管ができました。その管から栄養分を取り込み、体内に吸収しました。
そこで、体内に取り込む際に病原体や細菌などが入ってこないように免疫系が発達しました。
従って、消化器系と免疫系は関係が深いのです。

そのため、免疫システムには2系統あり、腸管と肝を中心とする古い系統と、胸腺、リンパ節、脾臓を中心とする新しい系統があります。
・腸管と肝を中心とする古い系統→異常自己細胞の速やかな排除が目的となります。
・胸腺、リンパ節、脾臓を中心とする新しい系統→外来抗原の処理が目的となります。

 大和市の整体院ダフィーカイロプラクティック免疫アイキャッチ出展;イラストAC 作者;Oto氏

 

白血球について

免疫系は病原体や細菌、癌細胞など正常な自分の細胞・組織と違う異物を排除するために働きます。
その中心的役目を担うのが、免疫細胞です。樹状細胞、マクロファージなどありますがここでは白血球を中心に解説していきます。

白血球は血液中にあり、リンパ球・単球・顆粒球の3種類で構成されます。
また、顆粒球は好中球、好酸球、好塩基球の3つに分類されます。これら5種類を白血球分画と呼びます。
分画の割合は、顆粒球は末梢血内の白血球の半分から3/4程度を占めます。この顆粒球の中でも好中球が約90から95%を占めるので、好中球が末梢血内では白血球全体の50から70%を占めることになります。
リンパ球は末梢血内の20から40%を占め、単球は3から6%ほどを占めることになります。

 

リンパ球について

ウイルスや腫瘍細胞に対してはリンパ球が中心となって、抗体(免疫グロブリン)などを使って攻撃します。NK細胞、B細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)などの種類があります。

血液成分の細胞は、骨髄(骨の中)にある造血幹細胞からできますが、リンパ球の1種であるT細胞は、骨髄から出た造血幹細胞が胸腺(左右の鎖骨の間で胸骨上部の奥にある免疫で重要な器官)に移動し、成熟したものです。これを胸腺分化T細胞と呼びます。

これとは別に胸腺外分化T細胞というのがあり、γδT細胞(ガンマデルタT細胞)という少数派(末梢血内白血球の0.5~5%)のT細胞があります。腸粘膜の上皮細胞間で多く存在します。

 

白血球と自律神経の繋がり

自律神経の神経伝達について

神経は神経細胞からできていますが、最初から最後まで1本の神経細胞で情報を伝えている訳ではありません。途中で他の神経細胞に何回か連絡をして、脳から末端の効果器と呼ばれるものまでを繋いでいます。

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交感神経では脳から来た情報は、胸部・腰部の脊髄に達し、そこから節前線維とよばれる神経細胞に乗り換えて、さらに今度は交感神経節というところで節後線維と呼ばれる神経細胞に乗り換え、ようやく効果器と呼ばれる各組織に到達し情報を伝えます。

副交感神経では、脳から来た情報は、脳幹と呼ばれるところや骨盤のところに達し、そこから節前線維に乗り換えます。そしてさらに副交感神経節というところで節後線維に乗り換え、そして効果器に達します。

神経細胞は電気信号で情報を伝えます。しかし連絡するところでは、次の神経細胞にくっついてないので、断線してしまって電気が通じなくなってしまいます。そこで次の神経細胞に情報を伝えるのには、神経伝達物質と呼ばれる化学物質を使います。電気信号が神経線維の末端までくると、そこで神経伝達物質が放出され、それが次の神経細胞にくっつき、再び電気が発生して信号を伝えるという仕組みになっています。

交感神経について

交感神経が活性化すると、体を活動的にするため、心拍増加、血流増加、血圧増加などが起こり、内臓から筋肉への血流を優位にするよう促す。交感神経が直接、臓器・効果器官に働きかけると同時に副腎髄質からホルモン(アドレナリン・ノルアドレナリン)などの分泌も活性化します。交感神経の節後線維末端では、ノルアドレナリンが神経伝達物質となり、節前線維末端ではアセチルコリンが伝達物質です。

副交感神経について

副交感神経の神経伝達物質は、節前および節後ともにアセチルコリンです。消化管は内臓支配の副交感神経と結びつきが強いのです。腸は外界から体内に入ってくる細菌や病原体を防ぐため、免疫が発達しており、体内の免疫細胞の6割は腸にある。その一つであリンパ球は消化管で発達したものなので、両者は結びつきが強いのです。

 

白血球でも伝達物質で活性化する

受容体というのは、伝達物質である化学物質を受け取る受け口です。白血球の細胞膜上にはアドレナリン受容体があります(特に顆粒球)。リンパ球の膜上にはアセチルコリン受容体もあります。

従って、次のような法則が成り立ちます。

交感神経が活性化すると末端から神経伝達物質のアドレナリンの放出量も増え、アドレナリンの受容体を持つ顆粒球も活性化します。
副交感神経が活性化すると末端から神経伝達物質のアセチルコリンの放出量も増え、アセチルコリンの受容体を持つリンパ球も活性化します。

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