今日は、ダフィーカイロです。今回の症例報告は慢性的な後頭部痛と、右の坐骨神経沿いの違和感を訴えるクライアント様です。

 

1、スネの前側の神経痛のような症状の訴え

40代の男性のクライアント様です。トレーニング愛好家で、週3回のウェイトトレーニング、週2回の室内ロードバイク、週末は丹沢の峠までロードバイクの心拍トレーニングを行っているそうです。そのためアチコチに痛みが出ているようです。

今回特に気になるのが、右足のハードラーストレッチの変法(ハードルを飛び越える姿勢から前足の膝を曲げる)の最終域で、右スネ前外側にビリッとくる痛み・痺れ。またスクワットでパラレルまで沈み込むとその時点で同じ部位に同様の症状が出る。左上部頸部の痛み、右股関節のストレッチ時の痛みなど股関節周りがメインの訴えでした。

ただし動作による症状の再現には一貫性が乏しく、なんとなく出たり出なかったり、症状が出ても出方が弱かったりして、施術院内での再現に苦慮します。この様な場合、運動や重労働などで日ごろから強い負荷を体にかけている人では、症状の再現させるためには高負荷をかけながら動作をしてもらう必要もあります。

しかし、施術中にいきなり100kgのスクワットしてもらう訳にもいかず、仮にアップセットから行ってもらうとすると時間がかかり過ぎて現実的でありません。

 

2、問診による注意点

ご本人は右太もも裏のある1点を押すとスネ前に痺れがで、ハードラーストレッチでをやっても同様の症状がでるので、梨状筋症状や坐骨神経痛を疑って当院を受診なさったようです。

先ほど述べたように動作による痛みの再現が少なく、梨状筋の圧痛やストレス痛、ストレッチ痛、チネル兆候など梨状筋症候や坐骨神経痛を思わせる所見が少なく、原因構造を特定しずらい状況になっています。

この様な場合、最も重きを置かれるのが問診です。探偵のようにクドクドと細かく、症状が発生する状況や、動作などを伺っていきます。

しかしこの時、気をつけなければいけない事があります。それはクライアント様による「バイアス」がかかると言うことです。それは意識的か無意識的かに関わらず、自分の求めている回答が導き出されるように返答が偏っている場合があるからです。

問診からは梨状筋の問題のように思われますが、実際のテストからは何か違う気もします。明確にそれだ!というのがなく、なんか微妙…という感じです。

 

3,左後頭部の痛み

当初は右の下肢の神経痛ということで来院されましたが、その内、日常的には左の後頭部痛の方が生活に差し障るということが分かってきました。仕事が忙しくなるとその部位が特に不快感が増してくるようで、左後頭部から首スジ、左肩から上腕まで鈍痛が出てきて鎮痛薬を服用しているそうです。この症状は数年前から続いているということで、当院でのご利用もこちらの解消を目標にシフトしてきていました。

 

4,施術経過

初回は座骨神経(特に梨状筋)をターゲットに行いましたが、あまり反応はないので痺れがでる足関節周辺を2~3回目でターゲットに施術。

2回目以降後頭部痛が主訴となっているので、首の捻れに合わせ首の矯正(ポキッというスラスト手技)を行いました。また、体幹も傾いているので胸郭の左右差の修正も行います。

3回目施術後、10日くらいしてから38°の高熱がでて、感染症かと思い一旦、病院に入院したそうですが、結局原因不明で熱も下がったので退院したというご報告を受けました。

驚くことにそれ以来、数年続いていた後頭部痛が消えてしまい、その後数ヶ月経過しても痛みの再発が無いというのです。

4回目以降は当初に戻って坐骨神経痛に対するアプローチ。大分、問題箇所が絞れて、太もも裏の筋肉間で神経が締め付けられる神経絞扼障害のようでした。太ももの裏の筋肉(ハムストリング)が硬く、周辺の膜組織と神経が癒着を起こしているか、ハムストリング自体にトリガーポイントがあり、放散痛をだしているようなのでその改善を行います。術後は症状の再発がみられませんが、日常生活の中でその状態をいかに保つかがポイントになります。

この方は、殿筋など股関節周辺の筋バランスに左右差があるので、その後はその改善をトレーニングで行ってもらっています。後はご自身の努力によるものが大きいので今後はその事に期待しています。

 

5,考察

今回のケースでは、長年の後頭部痛が発熱のあと消失しました。発熱の前の矯正からは10日くらい間隔が開いているので、これが関係があったかどうかは定かではありません。矯正後3日以内なら関係ありと言えると思いますが。

東洋医学や、民間療法の従事者であればこれを好転反応(瞑眩)だと言ったり、決めつけたりするのでしょうが、確証はありません。私自身の今までの経験でもほとんどの好転反応といわれるものは「だるさ」「ねむけ」「痛み」「多汗」というもので、38°もの熱がでたというの初めてなので、施術との間も空いてるし関係ないような気もしています。ただし、その後数年にわたり続いていた慢性頭痛が消えたということはその発熱と頭痛は関係があったとも言えます。

あまり急激な体の変化は体が追いついていかず、そのような反応が起こってしまう可能性もあります。あまり急激な体の反応は負担にもなるので、なるべくマイルドな反応で収まるように調節はしていますが、こればかりは上手くいくかは不明確な部分でもあります。人によってはもっともっとやって、みたいな過剰刺激を希望する人もいますので。

 

6,まとめ

今回の症例では、好転反応が強くでたかも知れないというケースの経験でした。それが本当かどうかは分かりませんが、その様なこともあると色々想定しながら施術はしていかないといけないという勉強になりました。

今回のご報告はこの辺で終わります。ではまた。